妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

恋しくて2


写真素材 pro.foto

失礼な出会いをしたあたし達は結局小萩に促されて邸へと戻っていったの。
そこで先ほどの男と挨拶を交わすことになったの。




 

 

 

 

あたしは御簾の中に入ってその男を観察していた。
あたしは今14歳。
多分少しだけ私よりも年がいっている感じがする。

名前は鷹男と名乗っていたわ。
落ち着きがあって今じっくり見てみると

美男子だわ。
声もいいしあんな酷い出会いじゃなければ

あたしはウットリして

話を聞いていたかもしれない。
でも先ほどの無礼な物言いをあたしは忘れたわけじゃないわ。
どれだけ言葉を丁寧にされても、綺麗な挨拶をされてもあたしは虚しいだけ。
先ほどのことは一体なんだったんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

「瑠璃姫さま、先ほどの無礼な行い

申し訳ございません。

まさかあのような振る舞いを内大臣家の姫であられるお方がなさるとは思いもよりませんでしたよ」

元々内容を

しっかり聞いていたわけじゃなかったけど

この男の一瞬馬鹿にした笑みを見たとき
凄く腹が立ってしまいあたしは御簾の中から

近くにあった脇息をお見舞いしてやったわ。
そのため御簾が上から外れてしまい

鷹男の姿を見ることが出来たの。
驚愕に満ちたその表情に、

あたしは少し気が晴れた気がした。
「瑠璃さま~なんてことをなさるのですか~~~~」
小萩の悲鳴に満ちた声も一緒になって聞こえてきた。
そんなの関係ないけどね。
鷹男は驚愕に満ちた表情をしたけどすぐに元に戻ったみたいだった。
「なんて跳ね返りな姫なのだ、先ほどの振る舞いといい今の振る舞いといい本当にあなたは

内大臣家の姫君なのですか?」

「は~~~~?あんたなんてことをいうのよ!

そうよあたしが内大臣家の姫よ!

その姫君がこんなことをするなんて信じられないかしら?

あたしに失礼を働いたのですもの。

その仕打ちも仕方がないんじゃないのかしら?」
あたしはドンドン鷹男を挑発してやったわ。
このまま驚いて逃げ帰って東宮様に報告してくれればいいんだわ。
そうすればこの結婚もなしになるかもしれないじゃないの。
鷹男は怒った表情をしていたけど急に笑い出したのよ。
「ふふふふふ・・・・・・あははははは・・・・」
「鷹男さま?」
笑い出した使者に小萩も不思議そうに声をかける。
「何よ!何がおかしいの?」
「あははは・・・・・いいえ、

あなたのような粗野な姫君に出会えたのは初めてで
調教のしがいがあるなと思いまして~」
「なっ!調教ですって!なんていうことをいうのよ!最低男!」
あたしは真っ赤な顔をして外れた御簾の中から飛び出してしまった。
東宮様への報告は

こんな跳ねかえりだということを

どう説明すればいいのでしょうね。
その跳ね返りを直すために

この私が調教しなおさないとなりませんね。」
「あんた馬鹿じゃないの!

あたしの性格が簡単に直るわけがないでしょ!

あんたのような最低な男初めてよ!」
「ええ~こちらこそあなたのようなじゃじゃ馬にあったのも初めてですよ!」
あたしと鷹男はいがみ合いだした。
お互い罵倒しあいながら言葉を交わしていく。
最低な男よ!
「おとといきやがれ~~~~~~~~~~~」
あまりにも大暴れなあたしに

とうとう小萩たちは離しにかかったの。
「鷹男さま~~~~~申し訳ございませんが

これで挨拶はすませたことにしてくださいまし。
御使者様のお部屋はこちらになります。

すぐにこちらに移って下さい」
女房達に早々に鷹男は連れられていった。
 

 

 

 

 

 

 

ふう~~~~~
何なの?あの最低な男は!
男の人と言葉を交わしたことなんてないけど

あんなに失礼な男絶対に居ないわ!
あたしはこれでも内大臣家の姫君よ!
それなのにあんな無礼なことをいうなんて、

なんていう奴なの!
う~~~~~本当にむかつくわ!
ただでさえ好きでもない東宮様に

嫁ぐなんてしたくもないのに
使者に来たやつがあんなに最低なやつだなんて!

絶対に京になんて行かないわ!
そうよ~今でも遅くないわ。
家出してやる。
鷹男が京に帰るまでの間姿を隠せばいいのよ!
あたしは早速置き手紙を書いた。
あたしのような姫君では

東宮様には相応しくはありません。

諦めて他の姫君と結婚をしてください。
あたしの性格は御使者である鷹男に聞いてください。

そうすればどんな姫なのか分かるでしょう~
そんな内容の文を置きあたしは

一番お気に入りの場所へと向かっていったのよ。
あたしはまだ幼く、その文通りに鷹男が

怒ってさっさと京に戻っていく。

そんな甘いことしか考えず

しばらく邸に戻らなければそれでいい

と思っていたの。
好きでもない殿方と

結婚するなんてしたくないこと。
京での色々な思惑なんてあたしには関係ないもの。
あたしはずっと吉野で暮らせばそれでいいのだもの。
この生活を乱すなんて止めて欲しいわ。
そう安易な考えに支配されていたのよ。










「瑠璃姫様~~~~~~~~~~~~」
吉野の別荘では瑠璃姫を探す女房たちの悲鳴声でいっぱいだった。
これほど東宮との結婚を嫌がっているなんて私は驚いてしまったのだ。
「まさか・・・これほど東宮のことを嫌っていただなんて・・・・」
思わず本音が漏れる。
「いいえ!そうではございませんわ!」
瑠璃姫付の女房の小萩が反論して私に瑠璃姫の部屋を見せてくれた。
その部屋は驚いたことに沢山の文が散乱して文箱からも溢れ出ていた。
「これは・・・・・」
「はい、東宮様から頂いた今までの御文でございます。絶対に捨ててはいけないと申され
全てこの部屋に保管されているのですよ。」
「だがこの文は全て代筆ばかりで東宮様が書かれた物なんて一つも!」
「姫様もそれはご存知でいらっしゃいます。いつもその中の文を眺めながらいつになったら
本物の御文をくださるのかと楽しみにして見えたのです。
瑠璃姫様は家柄はしっかりされ、

物に不自由にされたことはございません。

しかしながらご両親が瑠璃姫様にお会いになることなんて一度もなく愛情に飢えて見えたのです。

ですから言葉では嫌がられても生まれながらに婚約者である東宮様の愛情をずっと必要とされていたのでございますわ。」

私は女房から聞いた話を聞いて胸が苦しかった。
あんな態度を取っていたから東宮のことなんてどうでもいいのかと思っていた。
東宮のことを嫌っているのだと。
それなのに思ったのと全然違う。
あんな姫君、初めて見た。

気取ったところなどなく根が素直で自分の思ったことを素直に吐き出す。
普通の姫は御簾から出ることなんて

絶対になく言葉を話すことさえお付の女房に話させるというのに
思ったのと想像が違う姫君だった。
一体どうしたらいいのだろう。
このままでは計画が狂ってしまう。
私は女房に聞き瑠璃姫がどこに居るのか探すことにしたのだ。













あたしはしばらく桜の木の上でうたた寝をしてしまったの。
鷹男に見つかった木の上と違いこの桜の木は吉野で一番大きな桜の木だった。
この木はあたしが偶然に見つけた木。
崖の下にある木は他の木と違い少し離れた場所にあった。
この場所を知るものは小萩でさえ知らないわ。
あたしはノンビリ待つだけでいいの。
でもさすがに長いことここい居るのも飽きてきてしまった。
気持ちのいい風と大好きな桜の木の匂いに誘われあたしは大好きな舞を舞うことにしたの。
邸の中でじっとすることが大嫌いなあたしは舞うことだけは大好きだった。
何も考えることなくノビノビと舞うことはとても気分のよいことだった。
楽はなくても心の中で楽は流れる。
気持ちのいい風と桜の花が舞い散るこの中で踊るのがあたしにとって一番気分がよい事。
さきほどの嫌な事は忘れ熱中してあたしは踊っていたの。
その姿を一人の若者が見ていることに気がつかずあたしは楽しく舞を踊っていたのよ・・・
 

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