妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

恋しくて8


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幸せな日々が続いた。
鷹男はとても優しく頼りがいがあった。
だからこそ後宮での暮らしも何とか耐えられた。
何事もない暮らしに見えたけど、実はさまざまな嫌がらせが梨壷にあった。
それにも耐えられるのはやっぱり鷹男がいたから。
急に吉野から現れ、鷹男の寵愛を一身に受けているあたしは、他のもの達からすれば邪魔なものに映っていたのだろう。
物が無くなるのはしょっちゅうだったし物の怪騒ぎもあった。
でも、あたしは物の怪騒ぎがあっても信じていなかった。
物の怪とは人間の仕業に違いないから。
だから誰かの嫌がらせだと思い、信じなかった。
あたしにそんな嫌がらせは通用しないんだから。
そうして、後宮での生活も慣れていたのだけど、あたしの梨壷を抜ける癖は変わらなかった。
毎日ではないけど窮屈な生活。
時にはやんちゃをしたくなる。
でも、あたしが抜け出しても鷹男が迎えに来る。
そんな信頼感の元、いつものように部屋を抜け出していたの。
いつものようにいろいろ散策をしていたとき、今日は違うほうに行きたくなってしまった
抜け出すといつも同じよ方向に行ってしまうのだけれど今日は反対方向に体が向く。
どんどん進んでいったとき
あれ?何か楽器の音がするわ。何の音だろう~
あたしはその楽器に惹かれて近づいていく。
そして見つけたの。美しい殿方が横笛を吹いているところを。誰だろう~?綺麗な音だわ。ずっと聞いていたくなる。あたしはしばらくその音に身を任せていたの。そしてその音が消えたとき思わず思いっきり大きな音で拍手をしてしまったの。あたしの拍手の音で殿方はこっちを向いた。そして驚愕な表情をしたのよ。
その時やばい!あたしは思った。
だって顔を隠していなかったんだもの。隠す扇でさえ持ってくるのを忘れてしまった。いつもなら隠さなくてもいいのだけれどそれは鷹男の前でだけ。
見たことがない殿方に素顔を見られるのはこの時代いけないことだった。
だから焦ってしまったのよ。
オロオロしていたとき、すっ!
誰かがあたしの前に現れたの。
それと同時に頭に狩衣が降りあたしを隠す。
「何をしているのです!!!!!」
怒った鷹男の声が聞こえてくる。
「宗唯これはどういうことですか?」

宗唯?一体誰だろう?
「兄上・・・・・申し訳ありません。私には一体何が起こったのかわからない状況のようです。」
「・・・・・・・・・」
「ふふっそちらにいる姫君は兄上の大切な姫君なのですね。私にも会わせたくない様子。ですがそちらの姫君が急に私の前に現れたのですよ。」
「そうよ!ごめんなさいね。私がその笛の音に惹かれて近づいてしまったのだもの。私が悪いの!鷹男その殿方を怒らないであげて!」
「瑠璃姫~~~~~~」
「きゃあ~~~~~」
「痛い、痛い~~~~~」
鷹男はあたしのこめかみに軽くグリグリしてくる~~
少しだけど痛いわよ~~~~
「瑠璃姫~~~~~あなたはどうして他の殿方の前に何も隠さずに姿を現すのですか~~~~」
「だって、扇を持ち歩くの忘れちゃったんだもの。」
「忘れちゃったんだものではありません!あなたの可愛い顔をさらけ出さないでください!」
鷹男が久々に怒っているわ~~~~~
その時助け舟が出されたの。
「くすくす・・・兄上ここで許してあげては?」
「宗唯!しかしなあ~~~~」
「そこまで感情を露にした兄上は久々ですよ。私も一瞬しか姿を見ていませんしね。すぐに兄上で姿を隠されてしまいましたし。」
「そうだが~」
「そちらの姫君も反省して見えますしそろそろ自己紹介をさせていただけませんか?」
「ふう~~そうだなあ~どうせ瑠璃姫が部屋を抜け出して勝手にここまで来てしまったんだろうしな。」
「では、私の名前は宗唯。東宮である兄上の一つ下の弟です。ここでは弾正院宮を承っております。」
「えっとあたしは梨壷に部屋を賜っています瑠璃といいます。」
「あなたが梨壷の女御様であられましたか?そうですか」
何か意味深なニュアンスを感じた。
「宗唯もうよいであろう~瑠璃姫を部屋にお連れしないと・・・」
「はいはい、兄上は大切な姫君を私にも紹介をしたくないようだ。」
「宗唯!!!!」
鷹男と弟君の弾正院宮様は仲がよさそうだった。
結局あまり話すことなく部屋に追いやられてしまった。
それでもいつもと違った鷹男が見られて嬉しかった。
鷹男と弾正院宮様は仲がよさそうで違った鷹男も見れて満足だった。
けれどこの出会いがまさか今までの幸せな暮らしとは一転あたしを地獄へとつきだすことになろうとは
夢にも思わなかったのよ。

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