妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

恋しくて10


写真素材 pro.foto

あたしは愛する人に命を狙われた。
弓を向けられ足に怪我をしてしまった。
あまりにも沢山の事が起こったため何もできなかったけど今はゆっくり考えることができるわ。
あんなに大きな事件が起こったというのに、あの事件はただの事故だとあっさり処理されてしまっていた
東宮が自分の女御の命を狙ったというのに!
暴走した猪からあたしを助けようと鷹男の部下である若い公達に矢を射られた。そして猪に当てるつもりが誤って怪我をおわせてしまった。
若い公達は、あたしに怪我を負わせた責務でしばらく謹慎処分に処された。そして自分の部下がしでかしたことだといい鷹男も自ら謹慎することになった。
これによりあたしは簡単には鷹男に会うこともできなくなってしまったの。鷹男からの見舞いの文は毎日届いていたわ。
最初はよく手紙を届けられるとそう思っていたけど中身はただの代筆だった。
周りの目からは妻を思う優しい夫のイメージを変えたくないのだろう。
まだ実際には結婚していないけれど・・・・
あの事件直後はとても悲しかった。
どうして鷹男に命を狙われなければならないのかって。嘘だって!信じたくないって!
そう思うのだけれどあのときの鷹男を見てみると嘘だとは思えなかった。本気であたしを憎んでいたわ!
あの目はあたしを憎んでいた!
でもどうして鷹男に憎まれないといけないのかがサッパリ分からなかった。
意味も分からずに鷹男から命を狙われるなんて、そんな馬鹿げたことなんてないじゃない。あたしはどうしたらいいのか考えた。そうして思いだしたの。鷹男の事情を知る人物が居ることに。それは鷹男の弟君である弾正院の宮さま。彼はあたしが命を狙われたとき助けてくれたお方だった。そして鷹男を止めたとき理由を知っているような言葉を発していたわ。
だけど弾正院の宮さまは本当のことを教えてくれるだろうか?あたしは一度しかあったことがない宮さまに不安を抱いていたの。でもこのまま鷹男から命を奪われるのをただ黙っているわけにはいかなかった。だからあたしは宮さまに文を贈ったの。
会いたいと。真実を知りたいと。
宮さまに届けた文はすぐに返事が来たの。
ただ、あたしと宮さまが会っていることを鷹男に知られたくはないと、そう言われる為指定された時刻と場所にあたしは向かったのよ。






















「瑠璃姫、わざわざ起し頂きありがとうございます。」
「弾正院の宮様こそわざわざあたしに会っていただきありがとうございます。そして単刀直入ですけどどうしても宮さまにおききしたいことがございます!」
「兄上のことですね。」
「はい。」
「兄上はこれによって瑠璃姫暗殺は失敗なされました。ですがまだあなたの命を狙うのを諦めたわけじゃないと思います。」
「えっ!」
「兄上は瑠璃姫の命を奪うのを諦めるわけにはいかないのです。それはもう兄上を止めることは出来ないところにまで追い詰められているからだと思います。」
「どうして!!!!どうしてあたしは鷹男から命を狙われなければいけないの?鷹男はとてもあたしに優しかった!その優しさが全部嘘だったとはあたしには思えないんです。どうしてあたしを狙うのかその理由を教えてください!お願いします!」
さっぱりあたしには分からないわ!あたしは生まれながらの鷹男の婚約者なのよ。
今まで会ったこともなかった人。そして鷹男にとってはあたしが婚約者でないと困るんじゃないの。
あたしの父さまが鷹男の後見人を務めているはずですもの。あたしがいなくなると立場上困るのは鷹男のはず。だからこそよく分からないのよ。
何か理由があるんじゃないかと。
「私には兄上の身に何があったのか知りません。でも兄上が瑠璃姫の命を狙っている原因は分かります。」
「それってなんなんですか?自信がなくてもいいので教えてください!」
「瑠璃姫は兄上の母君様のことを聞いたことはありますか?」
鷹男の母君様と言えば麗景殿女御様じゃない。
体を壊したため床から出ることが出来ず、ずっと部屋から出ることがない方じゃなかった?
「麗景殿女御様ではありませんか?お体を悪くして床から出られないくらい重症だとか?」
「はい・・・そうです。体調を壊してお見えです。」
やっぱり・・・・・でも体調を崩して見えるんだったら相当悪いのかしら?
殆ど麗景殿女御様のことは後宮で噂にならないから。
今では壺も変わって後宮でも一番端っこで絶対に出てくることがないと噂になっていたわ。
それほど重症で人を近づけてはならないほどわるいのだと思っていた。
けれど宮さまはの表情を見ると、ただそれだけには思えなかったの。
「麗景殿女御様はお体を壊されたわけではありません。体はいたって健康体です。」
「えっ!だったら何故お部屋から出てこられないのですか?」
「体はとても元気ですよ。部屋の中では普通に生活をされています。ただし体だけです。

心が・・・・・心だけが病に陥り普通の生活が出来なくなってしまったのです。
正確には部屋から出れないのではなく出られないのです。もっと言えば幽閉です。女御様が外に出ないように警備のものが見張りをなさっているのです。」
なんですって!!!!!!
どうして女御様ともあろう方が幽閉なんて。何か事件でも起したのかしら?
あたしは京に住んでいなかったから詳しくはないわ。
「幽閉されていることは殆ど隠されていますよ。だから後宮に住んでいても知らないのは無理もないこと
です。」
「何故?そう聞いてもよろしいですか?」
「ええ~このことが兄上の瑠璃姫に対する憎しみが関係しているのではないかと私は思っているのです」
「どういうことですか?」
「女御様が狂ってしまった理由。それはあなたにあるから!いいえ直接ではありませんが、あなたの母君様が関係して見えたからなのです!」
どういうこと?あたしの母様が一体何をしたって言うの?母様はあたしを産んですぐに京に戻られた。
それからは一度も会っていない。だからあたしには母様の面影さえ覚えていないわ。
どんな人だったかさえ知らない。
なのに一体後宮で何があったっていうの?
「女御様が狂ってしまわれる前、実はその時の今上帝の寵愛が高い方があなたの母君である三条の内侍さまだったのです。」
「え!でも・・・・・」
「あなたの母君様は内大臣の北の方。けれど内侍はとても美しく、聡明で周りのものから人気が高かった。そんな人物が今上帝の傍に引っ付いていれば噂が立つのは致し方ないこと。そうして女御様は内侍に嫉妬をして狂ってしまわれたのです。
あの当時、女御様はさばさばして活発で周りは女御様が狂われてしまうとは予想も付かなかったでしょう。
徐々に徐々に狂っていかれたのです。そのさまを、まざまざとじかで見ていたのが兄上だったわけです。
ですからそれが原因であなたを怨んでいたのだと私は思っています。幼い頃兄上の話で聞いていましたし。」
「・・・・・・・・・」
あたしは絶句してしまった。
まさかそんなことがあっただなんて。
あたしが悪いわけじゃない。でもあたしの母上が原因で女御様が狂ってしまったのであればあたしは鷹男からすれば敵の娘。だからこそあたしをずっと憎んでいたんだろう。鷹男はあたしを見て何を思っていたんだろう。あたしに直接会っても憎しみしか感じなかったんだろうか?あの殺意は本物だった。
けれど鷹男の優しさが全て嘘だったとは到底思えなかった。鷹男はあたしに好かれるために優しさを演じていただけだといった。
けれど鷹男の態度はそれだけではないとそう思えたんだもの。鷹男はあたしを憎んでいてもそれだけじゃない!そう後宮に来てからいろいろあったことを思い出し断言する。鷹男は迷っているんだって。
あたしを殺そうとは思ったけど結局のところ失敗に終わった。だったら鷹男を止めることが出来るんじゃないかと。
「瑠璃姫・・・・お願いがあります。兄上はけして瑠璃姫を憎んでいるわけじゃないと思うんです。だったらあなたはもうこの世にはいない。けれどあなたはまだここにいる。だからあなたにしか兄上を止めることは出来ません。兄上を止めてください!」
頼まれなくてもやるわ!あたしは鷹男を止めて見せる!
「もちろん鷹男を止めて見せます!あたしは鷹男を愛しているんです。だから宮さまも協力してください!
鷹男を止めるために!」
「分かりました。兄上を止めるんだったら何でも頼んでください。何でも揃えます!」
私は鷹男を元の優しい人に戻すため必死で考えた。
鷹男はあたしを殺すのを苦しんでいるに決まっている。あたしを憎んでいるだけじゃないのですもの。
あたしはまだ鷹男を信じているわ。命を狙われても。それでもあんたを愛しているのだから。
自分の命を懸けてあたしはあんたを守るわ。
鷹男・・・・・覚悟を決めてね。
あたしはあんたを取り戻すんだから!

 

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