妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

絡まる恋のドタバタ物語2


写真素材 pro.foto

あたしはこのまま高彬のいう通りじっとしていたの。

だって小萩は体調が悪いんだから早く治療したいじゃない。

だから一番早い場所に連れて行かれるのかと思いきや、

なんとここは右大臣別邸の鴛鴦殿だったの。

九条邸か新三条邸のどちらかに連れて行かれるのかと思ったけど

何でここに居るんだろう?

そう思っていたら高彬から話があるといわれ、

どこかの部屋に連れて行かれ吃驚したわ。

だってこの部屋にはあたしと高彬の二人だけだと思っていたのに、

そこにはあの夏姫がいたんですもの。

あの堅物な高彬が夏姫と同席するなんて一体どういうことなの?

そう思っていたらまたもや高彬のお小言が始まってしまったのよ。

「瑠璃さん、君は一体何をしているんだよ。

連絡もなしに京に戻るなんて、もし誰かが行って大騒ぎをするとか

そう思わなかったのかい?」

「高彬、確かに急に京に戻ろうとしたのは悪かったわ。

連絡がまさか遅れていただなんて知らなかったから・・・・・

もしかして心配してくれたの?」

「当たり前じゃないか!!!瑠璃さんは僕の婚約者だよ。

もうすぐ結婚も間近だというのに!」

「でも高彬、それはそうだけどまだ約束の期日は来ていないわけだし~」

「・・・・・」

 

やばい、このまま約束の話を高彬以外の者にまで話すわけにはいかない。

そう思ったあたしは高彬に全く違う話をすることにしたの。

「ねえ~~~~高彬!不思議なんだけどなんでここに夏姫がいるの?」

「瑠璃姫さまお止めください。私は姫といわれるような身分ではございません。

ですから私の事はお夏とそう呼んで頂きたいですわ。」

 

そうお夏は言ったの。

あたしはこういう知的な女性は嫌いじゃない。

でもこの女には何かがある。そう勘が働いたの。

でもそれは深く考えないでなんでお夏がここにいるのか、

そしてどうして鴛鴦殿にいるのか聞いて見たの。

「あのねお夏がここにいるのが分からないんだけど~~~~」

あたしの視線を感じた高彬は慌てたように言葉を発したのよ。

「るるるりさん勘違いしないでくれよ。

お夏はある事情で僕が預かることになっているんだ。」

「ある事情???」

「うん。だからね申し訳ないけど一旦お夏をこちらに預けてから

小萩を京の新三条邸に連れていこうと思うんだ。

京よりこちらの方が落ち着くし小萩も新三条邸なんて戻ったら

多分無理しちゃうとそう思うから、だからね」

「だからじゃないでしょう~高彬。お夏の事情って一体何なの?」

「だからそれはある事情があって瑠璃さんには言えないんだよ」

「ふ~~~~ん、じゃあ~高彬とお夏は恋仲だというわけなのね」

まあそうなっても別にあたしはいいんだけどなあ~

それの方がどちらかというといいんじゃないかと最近思うようになったの。

そう思っていたら急に大声で否定の声を聞いてしまったの。

「瑠璃姫さま!!!それはけしてありませんわ!

私如きのような身分の低い女が高彬さまのような

ご身分の高い方の恋人になるだなんて絶対にありません!!!」

物凄く興奮したお夏。

あたしはその姿を見てお夏が高彬のことを

好いているんじゃないかとそう思ってしまったの。

でもあたしはお夏のことなんて全然知らないから

そう思うのもいけない事だし、そう思っていたのに

お夏は高彬が慌ているのに更に衝撃的な言葉を発したの。

「瑠璃姫さま!勘違いなさってはなりませんわ。私には好きな方がいるのです。

それなのにお二人が心配してしまって・・・・」

「え!?何?何なの?」

「それが」

「お夏ダメだよ!そんなこと瑠璃さんに言ったら」

慌てふためいた高彬を無視してお夏は言ったの。

「融さまが私のお相手がとんでもない方だから

高彬さまに私を保護するように頼んでしまったのですわ」

「何ですって!!!!!それはどういうことなのかしら~高彬!」

「いやあ~僕だって深いことまで知らないよ!

融がお夏を助けてくれってそういうから」

「詳しい事も知らずに融の言葉を信じたの?」

「お夏は僕が幼い頃に一緒に遊んだ経験もあるいわゆる幼馴染なんだよ。」

「ですから高彬さま、私はあの頃身分なぞ分からない幼い子供だったのです。

だからあの頃の思いではお忘れください。」

「でもさ~お夏~」

いつのまにやら二人の世界に入ってしまったわ。

ここにはあたしも居るんだけどなあ~

もしかしたら高彬とお夏はこのまま恋に発展するんじゃないかしら。

だったらあの約束は無効でしょう。

これなら高彬も傷つかないんだけどなあ~そんな思いを浮かべていたのよ


まあ二人は仲良くしていて頂戴。

あたしはあの融に聞かないといけないわ。

なんだって人の恋路を邪魔しようとするのかしら。

内容次第では唯じゃ済まさないわよ融!

小萩が元気になるまでとりあえずはあたしは鴛鴦殿にお邪魔させてもらったのよ。

そうしてあたしは新三条邸に戻ってすぐに融を締め、

いえもとい融に事情を聞いたのよ。

「ねえさん!分かったから分かったから白状するから殴らないでくれよ。」

「当たり前よ。理由を言わないなんて

どうなるか分かっていて黙っているんだからあんたは!!!」

「だってねえさんに言ったらどうせ口出ししてくるじゃないか」

「そんなの分からないじゃない。理由によっては協力してあげるわよ。」

「だからその協力が嫌なんじゃないか」

「何か言ったかしら?」

「いえ、言ってません。」

「そう、だったら早くお夏の恋人からあんたが

離そうとしている理由を教えなさい」

「分かったよ。ねえさん。お夏には恋人がいるみたいなんだけど

そいつが二股をかけているんだよ。

だからお夏のために僕はそんな恋は諦めて貰おうかとそう思ったんだよ。」

あら、融にしては結構まともみたいね。
「ふ~~~んお夏の恋人は相当遊び人な人なのね」

「遊び人どころじゃないよ。あんな奴最低男に決まっているさ。

だって藤の宮さまを騙している奴だからさ!」

融が相手の男について話しているうちに段々興奮してきて

藤の宮さまの御名をだしたとたんしまったと言う表情をしたの。

なんですって!!!藤の宮さまと二股ですって!

じゃあお夏の恋人は藤の宮さまともお付き合いなさっていると言うわけなの?

そんな馬鹿な!あたしは融の顔に引っ付くように一体誰なのか尋ねたの。

「藤の宮さまの恋人ですって!!!融!その殿方は一体誰なの?

あんたが匿っているなら知っているって事なのね。だったら相手は誰なの?」

「いやあ~そのう~」

「融はっきりしなさい!!!!」

融が優柔不断なのであたしは渇を入れてあげたわ。

そうしたらやっと話してくれたの。

「僕も一体誰なのか、どんな身分なのかは知らない。

ただ一度対面したことがあったから」

「それで誰なの?」

「名前も全然知らないけど、随分昔に僕が藤の宮さまの御邸に

通っていた時に見知らぬ男に刀をきりつけられかけたことがあっただろう?

あの時は大事には到らなかったけどあの時切り付けてきた男だよ」

「それって本当なの?実は違う人なんじゃ」

「それは違うよ。絶対にあのときの男だよ。

僕は切り付けられかけた相手だよ。間違えるわけがないよ」

そんな・・・なんで鷹男がお夏の相手だと言うの。

お夏の身分だったら申し訳ないけど鷹男に会えるわけがないじゃない。

まして鷹男は帝なのよ。

お夏と知り合える機会なんてないと言うのにどうしてなの?

あたしはあまりにもショックで言葉さえでなかったのよ。

 

 

 

なによ~鷹男!

あんなにあたしに京に戻るように薦めておいて、

ちゃっかり新しい女性に手を出しているなんて信じられない。

少しは鷹男のことを真剣に考えようと思っていたというのにむかつく!!!

確かにこのままいったらあたしは高彬と結婚するかもしれない。

あの約束の通りになる。

でも鷹男がもっと強引だったらあたしだって考えたというのに・・・・

鷹男には素敵な女御さまがおみえになるし、

更に新たな女御さまを迎えなくてはいけないのも分かる。

だからあたしは鷹男があたしに本気じゃないと思って

意地になっていたのに新たな女性の出現。

お夏かあ~~~

美人という感じではないけど、知的で教養も高い女性に間違いはないわ。

鷹男ったらあ~いう女性も好きだったんだ~

あたしはお夏が高彬に保護されていることよりも

鷹男の恋人だという事の方がショックだったんだもの。

高彬はやっぱりどれだけの年月を過ごしたとしても

あたしにとっては融同様弟なのよ。

お小言をいい年相応ではなく大人びている高彬だけど、

あたしは彼をどうしても恋愛対象にみることは出来なかったの。

高彬はとてもいい人なのよ。

あたしを本気で愛していてくれることも知っているし、

あたしを守ってくれているのも知っている。

このまま約束の日を迎えたとき、

このままあたしは高彬の北の方に納まるのが一番いい

そう思っているわ。

でも気持ちが定まらないの。

分かっていたのにあたしは吉野の里に行き、鷹男から離れてしまった。

まさかこれが原因でお夏と鷹男は恋人同士になってしまったのかしら。

あたしの心の中には鷹男とお夏の二人が脳裏に駆け巡っていく

段々腹が立ってきたの。

やっぱり鷹男は女たらしだったんだわ。

あたしにあんなに熱烈な御文をくれていたというのに~~~~~

実際の事は分からない。

でもあたしは融の言葉を信じてしまったの。

恋は盲目とはよくいったものよね。

さまざまな想いが糸のように絡まっていったのよ。

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