妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

絡まる恋のドタバタ物語3


写真素材 pro.foto

あたしは鷹男が来るのを待っていたの。

約束をしたわけじゃない。

鷹男は今上帝なんだから、東宮時代のように

軽々しくお忍びなんてできるわけがないじゃない。

それなのにいつ来るのか分からず、あたしは鷹男をただ待っていたの。

あたしはこのとき鷹男の気持ちも考えてなかったのよね。

だって鷹男はあたしだけを愛していてくれるって

驕った気持ちがあったんだから。

鷹男は浮気ものだけど、でもあたしだけを愛してくれているんだと

心の奥の奥底はそう思っていたんだから。

ただの願望に違いないのにね。

だからこの後こんな喧嘩をするなんて思わなかったの。


















あたしはいつもの通り自分の部屋の前の階に座り一人で月を見上げていたの。

待っても待っても待ち人はこない。

当たり前よね、約束なんてしてないんだから。

それでもあたしは待ち続けた。

やっとその待ち人がやってきてくれたの。

 

「瑠璃姫、やっとあなたを迎えに来ることができました。

お待たせして申し訳ありません」

「鷹男!あんたは何を馬鹿なことを言っているのよ。

だれが鷹男の元に行くって言ったの?

それにあたしは鷹男のような浮気ものなんて好きじゃないわ」

「そんな連れないことを言わないでください。

私はあなたさえ傍にいるだけで幸せなのですよ。」

「ふん!鷹男なんて口だけじゃない。

あたしの他にも女の人がいるのにそんなことをいうのね」

「瑠璃姫、私は以前申したはずです。

私の結婚は女御の後見人の貴族が深く関与するのです。

私の意志ではないんですよ。」

「そんな上手いことばかり言って鷹男はいろいろな女性を

手篭めにできるじゃない。その点高彬は違うわ。

生涯あたしだけしか妻はいらない。そう言ってくれた。

あたしは自分一人だけを愛してくれる人がいいのよ。」

「・・・・瑠璃姫・・・・瑠璃姫はいつもその言葉をおっしゃられる。

私の言っている意味は理解してくださらないのですね。」

「理解って・・・・・だって鷹男はあたし以外に

女御さまが沢山おられるじゃない。

色々なお美しい女御さまに囲まれているんだから、

鷹男もその女御様方を好きに決まっているわ。」

「やはりお分かりではありませんね・・・・・

私が心から愛しているのはあなただけ・・・

求めるのもあなただけだと言うのに、

あなたは私を信頼してくださらないのですね・・・・・」

「鷹男・・・・・」

「分かりました。しばらく時間をください。

私の気持ちを信頼してくださらないのであれば

私はもう一度あなたとの関係を考えなければなりませんね。」

「え!?」

そういった鷹男はあたしから姿を消してしまったの。

鷹男の切ない視線が胸に刺さる。

だって鷹男はお夏ともできているんでしょう。

あたしだけと言いながら鷹男は他の女の人を恋人にしてるじゃない・・・

なのになんでそんな事を言うの。

あたしは鷹男が居なくなったところをじっと眺めていたの。

そうしてあれから鷹男からの連絡は途絶えてしまったのよ。

こんなこと一度もなかった。

必ず御文は途絶えることなく届けてくれたというのに

全く音沙汰がなくなってしまったの。

あたしから鷹男に文なんて届ける事なんて出来ない。

あれだけ鷹男を傷つけてしまったんだから・・・・

あたしは鷹男が去ってから毎日考えていたの。

鷹男はあたしだけを愛してくれる、そういつも言ってくれていた。

なのにあたしは鷹男を信じることが出来なかった。

だって鷹男には美しく教養高い女御さまがいるし、

その上知的なお夏が恋人なのよ。

あたしにない部分が沢山ある魅力的な女性達が鷹男の傍に君臨しているのよ。

あたしは臆病だったの。

嫉妬をしていたけどそれを認めれなくて

全て鷹男が悪いと思いこんでしまったの。

鷹男は女たらしだから仕方がない。

そう思いこむことで自分の心を守っていた。

鷹男が自分を本気で好きだということを認めれなかったから・・・

もしあたしが本当に鷹男の傍に行って、

それで飽きられたらあたしはショックで立ち直れないじゃない。

本気で好きになった相手だもの

嫌われたくないじゃない。

だからあえて鷹男の傍に行きたくなかったと言うのに

あたしは鷹男を傷つけたのね。

あたしが悪いのに鷹男に罪を押し付けてしまって本当に馬鹿よね。

鷹男の心を取り戻したい。

鷹男にあたしから告白をしよう。

でもあたしは御所に行けるわけがない。

だったらどうしようか?

誰かに御所のお供に連れて行ってもらおうか?

そう悩んでいたけどまずお夏に鷹男のことを聞こうと思ったの。

恋人であるお夏の元だったら鷹男はもしかしたら通っているかもしれない

そんな思いを胸に描きながらあたしはお夏に会いに行ったの。

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