妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

絡まる恋のドタバタ物語6


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高彬を待っていたけどすでに遅かったの。

高彬がやってくると思っていたのにとんでもないことを持った人が

あたし達の前にやってきてしまったのよ。

 

 

ばたばたと騒がしい足音。

そんな足音があたし達の部屋に近づいてくる。

何事かとあたしは思っていたの。

そうしたら父さまが入ってきたのよ。

 

「瑠璃や、悪いが今すぐこちらにきなさい!」

「は!?何を言っているの父さま?悪いけどあたしはお夏に用事があって」

「いいから早くきなさい!」

「だからどこに行くというの?」

「何もいわずについてきなさい!」

訳も分からないままあたしは父さまに連れられていったの。

そうして気がついた時は遅かったの。

中に入りなさい。そういわれて中に入ったけど普通のお部屋。

誰も今は使っていない客室。でも出入り口は一つしか無い部屋だったの。

不思議だったけど嫌な事が頭によぎったのよ。

 

「父さま、まさかあたしを軟禁するつもり!?」

あたしの予測はあっていたのよ。

「悪いが瑠璃や、明日は高彬殿との大事な日。

お前が逃げないようにここに閉じ込めて置くから覚悟するように。」

「ええ!?嫌よ!あたしは高彬とは結婚しないわよ。」

「何を言っているのだ。お前は高彬殿が好きだから婚約していたのだろう。

なのにそのような我儘をいうものではない。」

「ちょっとまってよ。だったらなんでここであたしを閉じ込めるのよ。」

「それは・・・・・・・そのう・・・・・」

歯切れが悪い父さまの態度にあたしはピンときてしまったの。

「まさか高彬のしわざね!父さまに何か言ったのね。

だったら何を言ったのか父さま白状しなさい。

それに明日が大事な日だと何故父さまがいうのか知りたいわ。」

「瑠璃や~それはそのう~」

「父さま今さら何もいわないなんて酷いんじゃない?早くいって頂戴!」

「ふう~仕方がないのう。高彬殿から連絡が入ってな、

明日瑠璃と一夜を共にするから

瑠璃が逃げないように何処か部屋に軟禁しておいて欲しいと頼まれたのだ。」

「何ですって!?高彬ったらなんてことを父さまに頼むのよ!」

あたしは怒り心頭だったの。

どこの男が花嫁が逃げないように花嫁の父に

軟禁するように頼む人がいるというのよ。

高彬のやつ~~~~~~

怒りに支配されていたと言うのに父さまからはあっさりと言われるだけ

「やっとお前も結婚できるのだ。

お前のようなものには相手など一生見つからないに決まっておる。

だからこのまま大人しく高彬殿と契りを結ぶのじゃ」

「嫌よ!こんなとんでもないことを

父さまに頼む卑怯な高彬とだなんて嫌よ」

「まあ明日にはそんなことなど言っておられるからな。

しばらくはここで頭を冷やすように」

そう言った父さまにあたしはお夏の事だけは聞いたのよ。

「ちょっと待ってよ。お夏が高彬に話があるから

こっちに来るように文を届けたはずよ。その返事はないの?」

「ああ~そうだ、高彬殿に頼まれておったのだ。

今は忙しいから瑠璃との事が終わってから

ゆっくりと話を聞くと言っておられたのだった。そう夏に話さなければのう」

ええ~何それ!高彬が今すぐにお夏の告白を聞かなければ

何も意味がないと言うのにちょっと待ってよ。

あたしがどういっても結局父さまは聞きいれてくれなくて

あたしは時間がないというのにとらわれの身となってしまったのよ。

軟禁されるだなんて冗談じゃないわ。

あたしはとにかくこの部屋から脱出しようといろいろ試みたの。

部屋からでれないか、見張りを懐柔できないか

あらゆる事を試したと言うのに全く成功することができなかったの。

このままではあたしは高彬に体を奪われるしかないじゃない。

高彬は嫌いじゃないわ。むしろ好きよ。でも好きの意味が違うじゃない。

弟としか思えない高彬に抱かれるだなんて絶対に嫌!

あたしはなんだか悲しくなって泣きそうになっていたの。

そんな時部屋の外が騒がしくなったの。

もしかしたら小萩やお夏があたしを助けるために騒ぎを起したのかもしれない。

そんなわずかな願いを持ったのよ。

ところがそれは全く違い更にあたしに衝撃を与えてくれたのよ。

いきなりばたばたと足音をたてた父さまが

血相を変えてあたしのいる部屋に飛び込んできたの。

「瑠璃や大変ですぞ!!!」

「何が大変よ。軟禁されているあたしが一番大変よ。」

「それどころではない!

高彬殿が今からこちらに来られると連絡が入ったのじゃ」

「え!?だったらもしかして結婚は無くなるという事なの?

嘘!凄く嬉しい。高彬もやっとあたしを諦めてくれたのね。」

「何を言っておるのだ。高彬殿は急遽当直が入ってしまい

このままでは3夜通うことができない。

だから今からこちらにおいでになる。

瑠璃や、今日から高彬殿と一夜を共に過ごすのだから

大人しくしておるのじゃぞ!!!」

「え~なんで急に今日から高彬と夜を共にしないといけないのよ!

馬鹿も休み休みいいなさいよ。

そんな簡単にあたしの体を好き勝ってできると思わないで頂戴!」

「何を言っておるのじゃ。もうすぐ高彬殿がおみえになるのじゃぞ。

大人しく高彬殿を迎えなさい!」

「迎えれるか!!!!絶対に嫌~~~~~~~」

「我儘を申すでない瑠璃や。これは内大臣家の行く末が決まる事なのじゃぞ!

簡単に嫌だと申す出ないわ!!瑠璃や今日は大人しくしておるのだ。

もし逃げ出したとなったら小萩がどうなっても分からぬからな」

「そんな!小萩を人質にするつもり!」

「それでも仕方がないことなのだ。よいな瑠璃。

このまま大人しく部屋におるのだぞ!」

勝手なことをいって父さまは部屋を出ていったの。

あたしは更に逃げられない状態に陥りどうしようもなかった。

大事な小萩を盾にされたら何も言えないじゃない。

このまま高彬と夜を共にしないといけないのね。

あたしは更に絶望の底に流れていくしか出来なかったのよ。