妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

絡まる恋のドタバタ物語7終


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とらわれの身になってしまったあたしはどうすることもできず

この部屋からでることができなかった。

もうすぐ高彬がやってくるわ。

あたしはどうしたらいいの。

絶望の気持ちが支配される。

かたん

部屋に誰かが入ってきた音がした。

あたしは身をこわばらせ高彬に向かって叫んだ。

「来ないで高彬。あんたは卑怯ものよ!約束の日は明日だったはずよ!

明日までに好きな人に結婚の申し込みをされなかったらあんたと結婚する。

そう言う約束だったじゃない!

それを急に夜這いに来るなんてなんてやつなの!!!」

あたしの叫び声を聞いて部屋を出ていくかと思いきや

高彬は沢山の几帳をかけ分けてあたしに近づいてくるのよ。

「嫌!!!近づかないで!お願いよ高彬!あんたは弟としかみれないのよ。

だからあんたと結婚なんて嫌なの!あっちに言って頂戴!お願い高彬!」

悲痛な叫び声をあげるあたしに高彬はどんどん近づいていて

ついにあたしは襲われてしまったの。

「きゃい・・やっ・・・うう・・ん」

急に几帳越に現れ無理やり口付けをされてしまった。

長いくらいの接吻

好きでもない男に奪われあたしは一筋の涙が頬を伝う。

苦しくなったあたしは高彬をドンと押して背を向け

この部屋を出ようと出口に向かったの。

でもすぐにあたしは後ろから抱きしめられてしまったのよ。

「嫌よ!嫌!鷹男!鷹男!助けて!お願い鷹男!!!」

何度もあたしは鷹男の名前を叫ぶ

こんなことならさっさと鷹男の元に行けばよかった。

高彬に貞操を奪われてしまうくらいなら好きな人と結ばれたかった。

鷹男の名前を叫んだとき一瞬高彬は躊躇したかに思えたけど

すぐに力をこめられてあたしは前向きに体のむきを変えられ

またもや激しい接吻をされてしまったの。

「う・・・・・ん・・・っ・・は・・・・あ・・」

嫌なのに力強く抱きしめられているため抵抗が出来ない。

長い長い接吻のはてにあたしに向かって声がしたの。

「瑠璃姫、私はあなたを愛していますよ!」

やだ・・・鷹男の声がする・・・一番会いたい鷹男の声がするなんて

なんて幻聴なのかしら。

そう思いながら今までまともに見れなかった高彬を

やっと見る事ができたの。

ところが高彬だと思っていたのはなんと鷹男だったのよ!!!!

「え!?なんで鷹男がここにいるの?

ちょっとまさか今までここに居たのは鷹男だったの?」

「はいそうですよ、瑠璃姫。

そのおかげであなたの熱烈な声が聞けて嬉しかったですよ」

「もう~~~鷹男の馬鹿!!!凄く恐かったんだから!

高彬に体を奪われるかもしれないと思ってたのに

なんで早く教えてくれなかったのよ!」

あたしはついつい怒ってしまう。

「私は瑠璃姫を諦めないといけないと思ってしました。

だからずっとあなたには連絡しなかった。

こうなったのはあなたの意地っ張りのせいでしょう。

だから少し恐がってもらおうと思いましてね」

「もう!鷹男の馬鹿!恐がらせすぎよ!!!」

あたしは高彬じゃなくて鷹男がきてくれたおけげで緊張が解けてきたの。

「ねえ~鷹男、あんたはどうしてここにいるの?」

「ふふ、お夏殿に連絡されましてね。でもこの話は後で。

今夜はあなたを私のものにしたいですからね、

瑠璃姫覚悟をしてください。」

「うん。ありがとう鷹男。あたしを助けに来てくれて。

あたしはあんたが好き!あたしをあんたのものにしてください」

「当たり前ですよ。あなたのことを愛しているのですからもう離しません」

あたしたちはそのまま熱い夜を過ごしたの。

このころ高彬にも何があったのか分からず、あたしは鷹男に溺れていったのよ。

あたしは幸せだった。

だって愛する人に初めてを上げることが出来たのだもの。

好きでもない人に体を許すなんて絶対に嫌だった。

本当によかった。

あたしは鷹男との熱い夜を共に過ごしながら夢の中に入っていたの。

あたしを呼ぶ声がする

あたしを呼ぶのは鷹男なの?

夢から少しずつ上昇していくあたしに優しく甘い言葉で囁かれる

「瑠璃姫、愛しています。今日という日は一生忘れる事ができないでしょう。

今後のことは全て私にお任せください。しばしお別れです」

え!?鷹男は行っちゃうの?

あたしは思わず目を開くことも出来ないくらい

疲れているのに傍にある物をつかむ。

「ふふ、瑠璃姫私から離れたくはないのですか?」

なかなか目が開けないあたしはじれったさを感じるけど

しっかりとつかみ鷹男に自分の気持ちを知らせるの。

「嬉しいことです。しかし私はさすがに朝までここに居ることは出来ません。

しかしすぐにでも瑠璃姫を女御として迎えれるように準備をいたします。

やっとあなたをこの胸に抱くことが出来た。

まだ朝がたには早い。もう少しおやすみなさい」

そう囁いた鷹男はあたしの瞼の上にそっと口付けを落とす。

そんな鷹男の声を聞きながらあたしはまたもや夢の世界に入っていったのよ





















ばたばたばたばた・・・・・・・・

なんだろう~外が騒がしい気がする。もう~~~~~何なの!

あたしはまだ眠いのに何?

「るるるるる瑠璃~~~~~~~~~~~~~~~~」

父さまの騒々しい声でついにあたしは叩き起されてしまったのよ。

「何なの!!!!父さま!まだあたしは疲れているのよ。

それなのに騒々しい!まだ朝餉の準備もしていないのに

父さまだとしても失礼よ!!!!」

あたしは父さまに怒鳴ったの。

でも父さまはあたしの言葉に驚いたわけではなかった。

あたしの姿にどうも驚いたみたいで驚きを隠さなかったの。

「瑠璃、お前のその格好は・・・・やっぱりそうであったのか。

まさかこの文に書かれた事が起こっていただなんてわしは全然気がつかなんだ」

覇気のない声の父さま。

あたしの格好に何があると言うの?まさかあたしって裸???

ああ~~よかった。さすがに裸じゃなかったわ。鷹男はあたしに衣をかけていってくれ

た見たい。

鷹男の匂いがする

うっとりするあたしの前に父さまは恐る恐るあたしに話しかけてきたの。

「瑠璃や、まさかそなたは昨夜夜を共にしたのは・・・・」

「高彬じゃないわよ!」

「だったらやはりそうであったか。

その内衣も宮家しか許されないものであるし・・・・そうか・・・

はあ~~~~どうして瑠璃なんだ!お主上もこんなおてんばなんて・・・・・」

父さまは勝手に納得をして自分の世界に入ってしまったのよ。

そうしてあたしに女御として宣旨がおりたことをいい

落ち込んだ様子で自分の部屋に戻ったみたい。

そうして慌ただしくあたしの女御としての準備も整えられ

ついにあたしは鷹男の女御として御所に入ることになったのよ。
















あれよあれよとあたしは鷹男の女御となり

藤壺の女御といわれることになったの。

もともとあたしは高彬との結婚が決まっていたからこそ

父さまは結婚の準備をしていたわけで、だからこそ準備も早く出来たの。

当然違う殿方に嫁ぐ準備のものを出すわけにもいかなかったけど

全て用意しなおすわけでもないからこそ結構早かったの。

でもあたしは嬉しい気持ちは強かったけど

高彬が気になって仕方がなかったの。

お夏に聞こうと思っても、お夏は三条邸にいないと聞かされ

一体どこに行ったのか分からなかった。

小萩たちは知っているみたいだけど

なんだかもめているみたいで教えて貰えなかった。

あたしもあたしで父さまに女御になるのだからと

今までさぼっていた貴族の姫としての教養を

少しでもいれろと無理やり言われていたし、忙しかったの。

そうして鷹男の元に嫁いだとき、いろいろ聞きたいことがあったのに

鷹男の言葉にくら~ときてしまい

またまた熱い一夜を共にしてしまったの。

そうして朝方やっと鷹男にどうしてあたしを助けにこれたのか

聞く事が出来たのよ。







「お夏とは初めてのときどうやって出会ったの?」

「お夏殿と出会ったのは偶然だったのです。

たまたま藤の宮に会いに行った時、お夏殿が

ある貴族を伺っていたところを見てしまったのです。

彼は藤の宮の邸に用事があって中にいたのですが

私は彼女が短剣をもっているところを見てしまったんです。

何か理由があるとは思いましたが何があろうと

人を傷つけるのはいけません。私は取り押さえ

少しはなしを聞いてあげたんです。

とはいえ詳しい話は聞きません。

ただ少しでも話を聞いてあげれば

気持ちも治まるだろうとそう思ったのです。

そして私は藤の宮の雑色をやっている鷹男だと自己紹介をし

お夏殿の名前と仕え先を聞いたのです。

まさか三条に縁のある方だとは思いもしませんでした。」

「だからお互い知っていたのね。」

「そうです。でも私が瑠璃姫に会いに行った時は

けしてお夏殿に会いにいったわけではなかったのですよ。

瑠璃姫は勘違いされてましたけどね。」

「ごめんなさい。

あの時はお夏に鷹男と恋人だって言われてたから・・・」

「だから嫉妬をしてくださったのですね。

いつもは私が嫉妬をするのに

瑠璃姫がそう感じてくださっただけでもよかったですよ」

「もう鷹男ったら!」

話していくうちに少しはなしがずれる事もあったけど

あの日のことを聞く事が出来たの。

「あの日、もうすでに高彬と瑠璃姫の婚姻の日は噂がたっていたのです。

私は瑠璃姫にいわれてずっと考えていました。

やはりあなたを諦めるしかないのかと・・・・

でも高彬があの日急に仕事を他の者に変わってもらっているところを

目撃したんです。

同僚にいろいろ言われ顔を真っ赤にした高彬。

あくる日にはあなたは高彬のものになってしまう。

私の体は自然に御所を抜け出していったのです。

だからといってすぐにあなたのところに行くことは出来なかった。

高彬を待つあなたを見ることは私には耐えがたい。

ですが御所でじっとする事も出来ず藤の宮の邸で

少しでもあなたのことを聞けたら。

そう思い藤の宮と一緒にいたらお夏殿が私を尋ねてやってきたのです。

本当に運がよかった。

私も長いこと藤の宮の所にいることも出来なかったのですから。

しかしお夏殿に詳しいことを聞いた私は

お夏殿に協力してもらいあなたの元に駆けつけることが出来ました。」

「鷹男がきて凄く嬉しかった。凄く恐かったんだから。

でも鷹男がきてくれたのは嬉しくても本当は心配だったのよ。

高彬とのことは殆ど周りの者にしられていたじゃない。

内の父さまたちも高彬との婚儀のための準備をしていたことは

他の貴族達は知っていたみたいだし。

なのに帝である鷹男が臣下の花嫁を奪うだなんて

何を言われるか分からないじゃない。

鷹男の女御さまには高彬の姉君であられる丞香殿の女御さまがいるわけだし、

内みたいな貴族の姫を鷹男が迎えることになれば混乱は必死だし

何を言われるか分からないから。だから・・・・」

「そうですね。私は自分の信頼する臣下の花嫁を奪ってしまった。

本来なら右大臣家にいろいろ言われてしまうところです。

しかしお夏殿に頼んで高彬を瑠璃姫の部屋ではなく

お夏殿の部屋に誘導して貰たのです。」

「えええ~~~~~それって・・・・まさか・・・・」

「そのまさかですよ」

嘘。

そんなことってあるの?

鷹男に聞いて見たらあの時は切羽詰っていたみたい。

鷹男はあたしを、お夏は高彬を。

だから話をした時鷹男はお夏に頼んだの。高彬を任せても良いかと

もしかしたらお夏はあたしと勘違いされて襲われるかもしれないけど

それでもいいかと。

聞いたらいいと即決したようよ。

愛する高彬のために自分の体をはって高彬を止めたみたい。

結局高彬はすぐにあたしじゃなくてお夏だと気がついたみたいで

部屋を出ようとした見たい。

でもお夏は自分の気持ちを伝えてそのままね・・・・・・・

そうして鷹男は御所に戻ってすぐに父さまに宣旨を言い渡し、

右大臣もすぐに召集してあたしを女御にすると宣言したの。

当然右大臣はあたしが女御になるには都合が悪すぎるから

高彬との婚姻を仄めかしたみたいだけど既に遅し。

実は瑠璃姫ではなく三条縁の女房と契りを交わしたことを

高彬は鷹男あてに文を出していたらしく

高彬が女房に、それも花嫁となる貴族の姫の女房に手を

出したとあっては外聞が悪い。

だから元々高彬はあたしではなく女房に通っていて

あたしはカモフラージュだったという風におさまりを付けたみたい。

ここまで上手くいったのはお夏の力が凄く大きかったと思うわ。

お夏はあの後どうも姿を消そうとしたらしく

高彬ともめていたみたいだけど二人はやっと一緒になれて

お夏は今は右大臣邸に身を寄せているみたい。

お夏も好きな人と結ばれて本当によかったと思う。

やっぱり愛した人と一緒になるのが一番ですもの。

いろいろ遠回りばかりしたわ。でも鷹男と幸せになれて本当によかった。

鷹男二人で幸せになろうね!

完結