妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

人魚姫の涙8


写真素材 cg.foto

鷹男の登場にあたしは驚きを隠せなかった。

でも高彬はすぐにあたしから離れ平伏した。

鷹男の表情は冷たく今まで見たこともない姿だった。

あたしはその姿を見て驚いたけど今のあたしは嫉妬をして

自分の行動を省みる事なんて出来なかったから

鷹男に自分が今まで言えなかった言葉をここで言いはなった。

東宮様、別にあたしは高彬とは何でもございませんわ。

そう言えばまだお祝いのお言葉、言っていませんでしたね。

梨壺さまの御懐妊おめでとうございます。

さぞ東宮様はお喜びになられたかと存じます。

これであなたがずっと気に掛けていた後継者が

もうすぐ誕生することになるのですね。

でしたらお願いがあります。もうあたしを開放してください。

義務であなたに抱かれる意味もありませんわ。

梨壺さまのためにもあたしのことはもうほおっておいてください。」

自分が一体何を言っているのかも分かっていなかった。

ただもう鷹男に抱かれたくはない。

後宮から出て行き一生鷹男から離れて過ごしたい。

それがあたしのささやかな願い。

愛する人があたしを選ばないんだったら傍に居たくない。

もう忘れたいの。

義母さまや他の女御様のような生き方はあたしには絶対に無理な事。

何より自分が一番ではないのだから。

もう言いたいことは言った。

ただ言った言葉への反応を知るのが急に怖くなった。

だからあたしはそのまま階を降りて駆けていった。

このまま走っていっても誰かに捕まることなんて目に見えている。

なのにこの場から逃げ出したかった。

このまま鷹男が肯定する姿を見るのが恐かったから・・・・・・

あたしは必死で逃げた。

誰も追いかけてこないかもしれない。

それでもこの場から離れたかったから。

そうして「あっ!?」

誰かに手を掴まれてしまったの。

「お待ちなさい瑠璃姫!!!」

あたしは鷹男に捕まってしまった。

でもとにかく暴れた。

ここで捕まってしまってどんな反応をすればいいのか分からなかったから。

今の自分はおかしい。

嫉妬に狂ったこの姿を鷹男に見られてしまったのだから。

「嫌!!!!離してよ!」

「駄目です!」

嫌なの!なんで鷹男はあたしを追いかけるの?

あんたは梨壺さまを愛しているのでしょう。

好きでもない女を追いかけないで!

あたしは更に大暴れをした。

自分が今いる場所がどこなのかも分からずに。

その時何かが鷹男の懐から落ちた。

それもいつの間に近づいていたのか中庭の中央にある池の中に。

ぽっちゃん

その音にあたしと鷹男は気付き池に視線をやる。

まさか!?

あたしはすぐに池の中に入った。

何も考えずに、また鷹男の大切なお守り袋が

池に入ったのじゃないかと思い、考えるより体が先に動く

ばしゃん!!!

あたしは無我夢中で池に浮かんでいる物を手に取る。

あ~~~~~やっぱり鷹男の大切なお守り袋じゃない。

無くしたら大変。

あたしはお守り袋を手に取って安心してしまった。

もうその時には遅かった。

あの時と違ってあたしは着ている着物の重さに

身動きが取れなくなりそのまま足も吊り溺れてしまったの。

お守り袋を取った時は必死だったから、運よく溺れなかったけど今はもう遅い。

かなり着物が水分を吸い取りあたしはそのまま水を飲みこんでいく。

「瑠璃姫!!!!!!!!!!!」

「瑠璃さん!」

誰かの声がする。

あたしは意識を失おうとするとき誰かに手を掴まれたような気がした。

そのままあたしは意識を無くした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

瑠璃姫・・・・瑠璃姫・・・・・瑠璃姫・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・

誰かが呼んでいる?

あたしは一体どうしたんだろ?

瑠璃姫・・・・・・瑠璃姫・・・・・瑠璃姫・・・・・・・

目・・・・を・・・・・・・さ・・・・・ま・・・・・・て・・・・・・

誰かが何かを言っている。

どうして切ない声が届くの?

あたしは一体どうしたの?

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・

あたしは確か池に入って・・・・・・・!!!!

あたしはお守り袋のことを思い出した途端意識が醒めた。

そしてうっすらと目を開ける。

あたしは一番気になっていた事を口にした。

「お守り袋は無事?鷹男の一番大切な・・・・・」

その言葉に誰かが驚愕の表情をしたの。

鷹男?

それが一体誰なのか分からない。

ただあたしは溺れて体力を消耗していた。

だから今の状況が分からなかったの。

あたしが意識を無くしていた間

ひと悶着があったなんて知るよしもなかったのよ・・・・・

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