妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

人魚姫の涙(鷹男編)1


写真素材 cg.foto

私はあの日、運命の姫に出会った。

人は平等に愛さなくてはならない。

そう母上や周りの者に教えられてきたため自覚していた。

でも私はどうしても自分が愛し、そして愛されたい。そんな姫が傍にいたら。

そう、私は渇望していたのだ。

そしてあの日、運命の姫君に出会うことが出来た。

姫・・・・・・・・・・・・私は絶対にあなたを探して見せる・・・・・・・

そしてあなたを絶対に離さない・・・・・・・

あの日私はそう誓ったのだ。

まさか、私はその後過ちに気がつかずに

姫を泣かせることになるなんてその時は思いもよらなかったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は幼い頃から母に東宮になる身だからとずっとそう言われながら育った。

周りもその目で見て来たため、私はそうなるための努力を怠らなかった。

母上の期待に添えるようにずっと努力して来た。

そして東宮位につく事が出来たのだがふとその後の将来が恐くなったのだ。

東宮になる事が嫌なわけではない。

この国のために自分を犠牲にするのは構わないとそう思っている。

しかし、私はそのままの状態をずっと維持し続けなければならないのかと

一瞬恐くなってしまったのだ。

東宮としての仮面をずっとかぶり続け、それを外すことは絶対に出来ないのかと。

そう思った途端凄く怖くなったのだ。

私が仮面を外して一人の人間として見てくれる人は現れないのか?

そんな不安が私を襲った。

周りにそれとなく聞いても「あなたは東宮様だから」

それがいつものやり取りだった。

私個人を知り扱ってくれる人がいないなんて

怖くなって思わず母上に聞いてしまった。

私の生涯の伴侶の前でさえ私は自分を出せないのかと・・・・・・・

自分で愛する姫を決めれないのかと。

母上はそのまま肯定した。

絶望を感じた私に母上は小さな希望を私に与えてくれたのだ。

そして、私は行動した。

もうすでに東宮妃候補に上がっている姫君を一目見ようと。

そしてそこで運命の姫君に出会った。

自分のことなど考えず他人のことを優先する可愛らしい姫君。

私個人をじっと見つめ視線に揺るぎない力が篭った瞳。

少しだけ時間を共有しただけだったが私はその姫君に一目で恋をしたのだ。

そしてその姫を絶対に見つけ出し私の傍に置く。

あの日、私はそう自分に誓ったのだ。

姫君と約束を交わしたその後すぐに私は臣下に見つかり

そのまま東宮御所に連れ戻された。

そして母上にこっぴどく叱られ説教を受けた。

私はそのまま黙ってお叱りを受けた。

私は自分の行動を後悔していない。

そのおかげで運命の姫君に出会えたのだから。

私の反応がいつもと違うことに気がついた母上。

私は説教が終わったことに気がつき、

母上に運命の姫君に出会ったことを話した。

自分のお守り袋を拾ってくれた心優しい姫君の事を。

母上は自分の事のように喜んでくれた。

私は明日も右大臣邸に行ってその姫を探そうと思っていた。

でも母上には私の行動はばれていて

東宮御所を離れることを猛反対されたのだ。

何故反対するのか自分で考えなさい。

そう言われ私はその理由を知っていた。

私が抜け出したおかげでその日警備を担当していたものは責任をとらされていた。

私が抜け出すことが出来たというのは警備が甘かったことに繋がるからだ。

この日は運よく何も起きなかったが警備が薄いままでは何か起こってはいけない。

私が抜け出すということは他のものにまで危害を加える事に他ならないのだ。

結局私はもう東宮御所を抜け出すことは止めた。

東宮としてやってはいけないことだからだ。

私はまだ元服前でまだ責任も取れない歳だった。

そんな甘えた自分が運命の姫を迎えにいくなんていけない気がした。

私はもっと強くなる。

姫君を迎えるに相応しい男になる。

早く姫を迎えたい気持ちは凄く強かったが

私はまず姫を迎えるに相応しい男になることを優先した。

 

 

 

 

 

 


そして数年が立った。

私は元服を迎える事が出来た。

ずっと忘れることが出来なかった運命の姫君を私は今度こそ探そうと思う。

姫君は私を待っていてくれるだろうか?

私の成長した姿を見て姫君はどう思ってくれるだろうか?

姫君に早く会いたい。

私はあの運命の姫君を見つけるために行動し始めた。

そして右大臣に近づいたのだ。

それが私にとって間違いの一歩だとも気がつかずに

私はそのまま愛する姫を傷つける道に進んでしまったのだ。

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