妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

人魚姫の涙(鷹男編)2


写真素材 cg.foto

私はやっと運命の姫君を手に入れる事ができた。

姫も私をずっと待ち望んでくれていた。

東宮御所で出会って初めの言葉がそれだった。

私が幼き頃に約束したことを実らせた。

そのことを喜んでくれた姫君。

私が待ち望んでいた運命の姫はなんと右大臣家の二の姫であった。

私が許婚と噂される姫に会いに行き、

本当にその姫君に出会いお互いに恋に落ちるなんて

運命の恋としかいえないではないか?

薄々右大臣家の数多い姫君の内の一人だと予想はついてはいたが

まさか母上も待ち望んでいた二の姫が

運命の姫君だとは思いもよらなかった。

私は右大臣に幼い頃に私と出会った事がある姫君はいないかと

あの日単刀直入に聞いたのだ。

そうしたら始め、その話は娘から聞いた事はないが

もしかしたらわざと黙っているかも知れないから聞いて見る。

それが一番初めのやり取りだった。

その明くる日には右大臣は大喜びで二の姫がその姫だと教えてくれた。

私はその時、右大臣を疑うことなくその話を信じたのだ。

そうして私の元に二の姫が入内したのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は成長した運命の姫を見たとき違和感を感じた。

幼き頃に出会った姿をしっかりと覚えているわけではなかったが

うっすらと覚えている。

だから幼き頃の面影は全くなく少し残念に思えた。

しかし成長すれば容姿など全然違うこともあるだろう。

私は容姿に惹かれたわけではない。

だから面影はなくても気にならなかった。

しかし気になったのはあの信念を持つ視線。

それが全く感じることが出来なかった。

あの視線に出会えなかったことに私は少しだけガッカリもした。

でも幼い頃とは何もかも違う。自分もあの頃とは違う。

だから仕方がない。

私はいい聞かせるように呟いた。

そうしてやっと追い求めていた運命の姫君を娶り約束を果たしたのだ。

それから私は毎日のように梨壺の女御の元を訪れた。

私が訪れると私の気を少しでも惹こうとあれこれ画作して来た。

連日連夜宴を開いたり美しく着飾ったり。

私は嬉しくないわけではなかった。

私のためにいろいろ気を惹こうとしてくれている。

その気持ちは十分に伝わってきた。

しかし、その行為は東宮としての私しかみていないように感じるのだ。

東宮の気を惹く。

その行為は、今まで母上以外の女御様方が

父上の寵愛を少しでも頂こうとする行いにしか感じられないのだ。

私が求めた運命の姫というのは身分など関係なく人のために動く姫。

だから私は惹かれたのではなかったか?

なのに迎えた姫君は変わってしまっていた。

心の中で私はがっかりしてしまっていた。

でも変わったとしても本質は変わらない。

それを信じて私は梨壺の女御を大切にしよう。

そう心で誓ったのだ。

 

 

 

 

あれから梨壺の女御が入内してからまだ三ヶ月しか経っていないというのに

桐壺に私の后として内大臣家の姫君が入内したのだ。

私は納得できなかった。

まだ右大臣家の姫を東宮妃として迎えたばかり。

それなのに強引に女御として後宮に入ったのだ。

私はその話を聞いた時帝に断りを入れた。

まだ梨壺も入ったばかりで馴染んでいないのに

他の女御を迎えようだなんてとんでもない話だった。

まして私が運命だと感じた姫を迎えたというのに

すぐに違う姫をだなんて・・・・・

帝は私の話を聞いて納得され断ると話されていたのに

何故こうなってしまったのか?

話を聞くと内大臣家の姫が我儘をいいだし

私の元に行きたいと急にいいだしたのだ。

内大臣も始めはもう少し待ったほうがと勧めたらしいが

その姫がどうしても入りたいといい出したため

強引にこの話を勧めたのだ。

内大臣家は摂関家の血を引いていて血筋も良く

その変の貴族よりも地位は高くそして大金持ちなのだ。

内大臣家の願いを受けないわけにも行かず

帝である父は申し分けなさそうに私に命じになった。

私はその我儘姫が許せなかった。

東宮の身分しか見ていないであろう姫君が

私の元にこようとしているなんて。

そのおかげで梨壺が悲しまれてしまった。

私はその姿を見て思ったのだ。

内大臣家の姫が私の元に来たとしてもその姫に優しくしないと。

私を東宮としてしか見ていないものには

東宮以外の顔はけして見せない。

どんな姫だろうが私は東宮の仮面を外さないだろう。

まだみぬ姫君にそう思っていたのだ。

その姫をどれほど苦しめることになってしまうのかも知らずに・・・・・

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