妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

初恋~叶わぬ思い~8

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 https://www.beiz.jp/

 

あたしはあれから飛香舎に局をいただき藤壺の女御と言われているの。

もう何年も女御を娶らなかった鷹男が急にあたしを娶ったから

周りは凄く驚いた見たい。

父さまなんて宣旨を受けた直前吃驚して三条邸に戻ってから

ずっと寝込んでしまってあたしに確認するのにどれだけ時間がかかったか。

もう父さまったら相変わらずそそっかしいんだから~

宣旨が下ってから父さまはあたしが絶対に断ると思っていたみたいで

内大臣家はおしまいじゃあ~」っていつもの台詞を言っていたようよ。

あたしは鷹男が宣旨を父さまに言う日には邸に帰って父さまを待っていたのに

いつまで経っても来ないからついつい自分から父さまに会いに行っちゃたわよ。

本当にこういうことは頼りにならないんだからね。

あたしが女御になるのを承諾していると聞いたら

すぐに立派に用意してくれたわ。

もう東宮さまが次の帝になるのに時間も掛からないだろうし

あたしが今さら後宮に上がっても

跡継ぎ問題で揉める事がない。

そう周りから思われているみたい。確かに当たり前よ。

あたしは東宮様と1才しか違わない息子もいるし

今さらあたしと鷹男の間に御子さまがお生れになっても

その頃には鷹男は院になっているだろうし東宮様はまだお若い。

今は梨壺の女御さまと桐壺の女御さまには御子さまはお生れになっていないけど

皆がお若い。

あたし達の方が出来る確率だって少ないのよ。あたしはもう三十路。

梨壺の女御さま達はまだ十代。

どうみても分かるじゃない?

なのにどうしてあんなに東宮様は跡継ぎ問題を心配なさったのかしら?

東宮様も新婚なんだからすぐに可愛い御子さまも

お生れになると思うのだけれどねえ~

結局東宮様とはあのまま声をかける事も出来ず

あたしは再び後宮に戻り正式に女御となった。

もう鷹男の女御となった身で東宮様にお会いできるわけもなく

あたしはただどうしたのだろうと

不思議に思うことしか出来なかったの。

ただこれは言える

東宮様とは昔のようにすんなり話せる状態ではないと言うこと。

あたしが女御となり宴や祭ごとのとき、

あたしは女御だから御簾に入ってしまって殿方のお姿など

ちらりとしか拝見は出来ない。

もちろん殿方からなんてより一層見えるわけもない。

ただあそこにあたし達がいるということが分かるだけ。

ただの勘違いかもしれない、そう思いたいけれど

東宮様はいつもあたし達がいるであろう御簾越に視線を投げかけてくる。

内の女房達は東宮様から熱い視線を頂けるのは自分だと勘違いするものもいる。

でもその視線は熱いんじゃない。あれは憎しみの目。

蒼白く光る視線は憎しみ。

やっぱり許せないんだろうか?

東宮様が幼い頃に大切な母上でもあった丞香殿の女御さまから

母としての愛情も覚えることなく失い、

昔から愛情に飢えて見えたもの。

あたし自体も確かに実の母上を早くに亡くしたとはいえ

新しい母上が出来た時はショックが大きかったもの。

今では義母上さまははとてもかけがえのない大事な御方だけどね。

もう少ししたら東宮様もあたしが鷹男の女御に相応しいと認めてくれるといいな。

やっぱり憎まれるのは辛いもの。まして昔からの知り合いなんだから。

あたしは東宮様がどんな思いをしているのか全く気付きもせずに過ごしていたのよ。

 

 

鷹男の女御となってあたし達は今まで会えなかったことを埋めるかのように

一緒に過ごしたの。

周りが噂をするくらい鷹男はあたしとの仲を隠さない。

毎日のように藤壺に来てくれる。

本来ならここまで過剰な帝の行いは許されるものではないのかもしれない。

でも今まで丞香殿の女御さまを亡くした鷹男しか

最近見ることが出来なかったためか貴族達は

帝が以前のように元気になったと喜んでいるみたいで

まあ~こちらとしては反対されるよりは安心するんだけどね。

でも、もうすぐ鷹男は東宮様に譲位を仄めかしているからこその

幸せなのだと分かっているわ。

帝というのはそれだけ孤独な人なんだから・・・・・・

どれだけの権力争いでこの後宮から去っていかなければ行けなくなったか・・・

あたしはある人を想いだす。

結局あのまま約束は適う事はなかったけど、でもどこかで生きていると

願っているわ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3ヶ月が経った頃にはなんと鷹男とのややが

今あたしのお腹の中にいるという事が分かったばかり。

本当にびっくりだわ!

まさかこの年で子供が出来るなんて思ってもなかったわよ。

父さまと義母さまは大喜びだし

融や由良姫も喜んでくれたわ。

貴久なんて驚きすぎて声も出なかったのよ。

そりゃあそうよね、弟妹となるのが年が離れすぎているし

その上今上帝の御子さまだもんね。

どちらが生まれてもあたし達の御子さまだもの。

絶対に可愛がるつもりよ!

あたし達は幸せ絶頂だったの。

この幸せにまさか影が近づいているとは思いもよらなかったのよ

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