妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

信じたいのに4

f:id:fheibon:20190125064213j:plain

httpps://www.beiz.j
 
これほど恋焦がれる女性が今までいたのだろうか?
この時代に、恋や愛だなんて感情は必要ない。
その感情を持つことで自分を苦しめることになるから子供の頃にその感情は
既に諦めていたものだった。
自分で愛する人と結婚は出来ず決められたレールに乗るしかない。
それが当たり前だと思っていたのに
私の前に現れた愛おしい人。
 
衝撃的な出会いだった!
まさか深層といわれるはずの大貴族の姫君と床下で出会うなんて!
 
 
 
 
 
 
最初は今では右近の少将である高彬の気持ちが分らなくて驚いたものだ。
こんなにおてんばではねっかえりの姫君のどこがいいのかとそう思っていた。
同情の念を思うよりなかった。
何も考えずにすぐになんでも突っ込むだけの姫君。
どちらかというと最初はウットオシイと思うだけだった。
姫君特有の我が侭を発揮するだけの考えなしの女性。
それほどまでに私の今の状況からし
この姫君の存在はウットオシイ存在としかいえなかったのだ。
だが、何でも突っ込もうとする姫君の迫力に飲まれてしまい
わたしは彼女の言うがままに協力をしてもらわざるをえなかった。
それなのに、彼女をドンドン知れば知るほど
私は彼女の嫌な第一印象を忘れなければならないほど魅力的な彼女がいたのだ。
考えなしのただのはねっかえりだと思えば
頭の回転がとても早く、私の意図とすることを教えなくても理解され
自分から行動できる行動力の素晴らしさ。
それがどれだけ自分の身を省みようともせず、そんな危なっかしさはあった。
だが、彼女の凛とまっすぐな性格、
正義感が強く物事を的確に判断するその姿に私はドンドン
惹かれていってしまったのだ。
 
だが、彼女には高彬がいた。
 
相手がいるというのにそれでも彼女を欲する気持ちはおさまるどころか
大きくなっていく一方。
彼女を諦めるしかないと思えば思うほど気持ちは大きくなっていく。
それでも諦めきれず彼女に猛アタックする自分がいた。
自分さえ驚くほどの行動力だった。
 
 
 
普段だったら私が求めればすぐに女は私の元にやってくるというのに
彼女はあろうことか、私の東宮としての地位があることで
余計に私のそばにこれないというのだ。
私が東宮という地位であり、既に后が二人いるから
私との恋を考えられないというのだ。
 
 
 
そんな女性が今までいただろうか!
私の地位を目当てに近づくものは腐るほどいたというのに
私の地位があるからこそ恋愛対象に見ることが出来ないというのだ。
それは私をただ一人の男としてみてくれる証拠だった。
とても嬉しく感じることだけれど
自分の気持ちをどれだけ囁こうとも彼女は私の気持ちを信じてくださらない。
 
 
何度も何度も何度も・・・・・・
どれほどいえば瑠璃姫に私の想いが届くのだろうか?
 
 
 
諦めようと思うけれどそれでも諦めきれない私は
何度も何度も彼女に愛を囁き
やっと彼女は私に答えてくれたのだ!
どれほどそれが嬉しかったことか!
だがそれと同時に不安も大きくなっていく。
自由を好む瑠璃姫が
後宮という檻の中で彼女が楽しく過すことができるのだろうかって。
私に嫁いだ時点で彼女に一番似合う自由が制限され
後宮という檻の鎖に繋がれてしまう。
窮屈な生活に瑠璃姫が我慢できるのか?
そんな不安を思いながらも彼女は私の妃である藤壺の女御として
迎え入れることになったのだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
驚いたのが瑠璃姫の変貌だった。
深層の姫君として一番かけ離れていたはずの瑠璃姫が
後宮に入り一生懸命にあわせてくれる。
それはそれは立派な女御のように思えるほど見違えるほどの変貌ぶりだった。
 
 
 
 
最初はそれが嬉しかった。
私のために努力をして嫌いな習い事をはじめたと聞いていたから。
だが、ふと彼女を見ると段々彼女が今までの瑠璃姫じゃないことに気がつく。
これが私の愛した姫君なんだろうか?
この姫君こそ、後宮にいてもおかしくない
どこにでも野心がある女性なんじゃないか。
ふとそんな錯覚に陥ってしまう。
それほど瑠璃姫の変貌は早くて完璧になっていったのだ。
 
 
 
話しかけると瑠璃姫だとすぐに分るのに
ただ黙ってしまうと今までの雰囲気と全然違い気品があって
素晴らしい女御にしか見えなくなっていく。
 
 
 
この人は誰だ?
 
本当に瑠璃姫なのか?
 
 
 
不安になると同時に彼女を胸にかき抱く。
瑠璃姫はドンドン美しくなっていく。
元々容姿は平凡ないでたちだったが
いろいろ習い事をして、自信に満ちあふれ
彼女はとても綺麗で私の感情を乱すことにしかならない。
 
だが・・・・・
これほど姿や雰囲気が変わっていってしまう瑠璃姫に
私の気持ちは疑心暗鬼になっていってしまうのだ。
 
 
後宮という檻の中は、どんな人間でも
人を変貌に作り変えてしまうほどの力があった。
瑠璃姫なら檻の中に入っても変わることはないだろう。
私はそう信じていたのだ。
だが・・・・本当にそうなのだろうか?
私は彼女を見ると、彼女が欲しくて欲しくてたまらない。
いつの間に彼女はこれほどの色気をまとうようになったんだろうか?
それは私の気を惹く為だけの虚像なんじゃないか?
そう思えるほど彼女は変貌を遂げてしまったのだ。
 
 
 
 
最近の彼女は今までの瑠璃姫とは180度見違えるほどの素晴らしい
藤壺の女御になってしまった。
何度いつもの瑠璃姫に戻ってもいいと訴えても
彼女はいつもと変わらないと、そう微笑むだけ。
 
 
 
私の愛した瑠璃姫は一体どこに行ってしまったんだろうか?
ただ・・・・私が胸に抱くときだけ瑠璃姫はいつもの姫になってくれる。
だからこそ、私は毎日彼女の元に通い、毎晩彼女を抱く。
変わらない瑠璃姫を見るが為に!
 
 
 
 
だが・・・・・・・
彼女は一生変わらない。
そう信じていたのに
瑠璃姫とそのお付の女房達の会話を聞いてしまったのだ。
 
 
 
 
それは衝撃的なことだった。
彼女は自分の子供を東宮にしようと
野心を抱いてしまったんじゃないだろうかって!
瑠璃姫は女房達の言葉を否定しない。
それは肯定しているとしか思えなかった。
何故・・・・・何故・・・・
それは裏切られたような、それほどの衝撃的だったのだ!
 
 
 
 
 
 
もう私の瑠璃姫はいないんだろうか・・・・・・
虚しい・・・・虚しい・・・虚しい・・・・・・・
 
 
 
 
 
私はそれから彼女を避けるようになってしまったのだった。

にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村