妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

好きなのに~揺れ動く恋心2

私の名は宗平。

東宮の地位にある者。

しかし私のこの地位は不動のものではない。

私は今上帝である父を持つものではあるが

母は身分だけはすこぶる良いが

後見人の力は弱かった。

そう、私達には財力が乏しかったのだ。

その私が東宮の地位を得る事が出来たのは

母上の力が大きいといえよう。

母上はまだ幼い私を不憫に思ったのだろう。

大臣家の二の姫と早々に婚約を取り付けてくださったのだ。

これによりもし私が帝になり、

そして二の姫が親王を御生みしたら右大臣が外戚になって権力を掴む。

お互いの利害が一致した事で私達の婚約が決まったのだ。

そんなことは百も承知の上だった。

私は何としても次期帝になりたかったのだ。

母上が私に期待しているから。

それもあるが私は一番上を目指したかった。

馬鹿な貴族達の言うことばかりを聞くだけの

愚かな統治者に自分が仕えること自体

私の性格ではありえなかったのだ。

昔から私はやや冷めたところがあり

政治の世界を影から眺めながらずっと思い続けてきたのだ。

だから、そのためには誰を利用しても気になる事もない。

自分に近づいた人間は私にとって利用価値があるか、ないかだけだった。

そして今一番利用価値があるのは・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

東宮様、毎日私のもとに来て頂き誠に光栄でございます。

今日はこんな素敵な物語を贈ってくださるなんて

なんて嬉しいことなのかしら。」

「梨壺、今私が毎日誰を思い続けているのか

分かっているのでしょうか・・・・・・・」

「あっ!?東宮様・・・・まだ日が高いですわ。」

「梨壺、あなただけを愛していますよ」

東宮様!?」

私は利用価値があればどんな人間にでも優しい仮面を被るだろう。

心では思っていなくても、私はそれだけの事が出来る。

私が帝になるためなら、

愛していない人間でも簡単に抱ける。

そうして私は恥ずかしそうに顔を赤らめる梨壺に甘い口付けを落とす。

梨壺が私に逆らえないように、抗えないように体で覚えさせる。

大抵の女はそれで落ちるものだ。

そう・・・・この女の体も心も何もかも全て私の物。

もう私には抵抗も出来ないほど

甘美で私から離れられないくらい溺れたはずだ・・・・・・

しかし・・・・・・・・簡単に落ちたな。

少しは抵抗でもするかと思ったが、この女は特に簡単であった。

まだ世間慣れした後宮の女官たちの方が私も楽しめたな。

・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・・

・・・

さて、次は・・・・・・・

もう決めていた。

今回はやや、厄介な相手でもある。

何故なら今までは後宮から出なくてもよかったのだが今回は違う。

相手は京に住む大貴族の娘。

何故彼女を選んだのか。

それは私の今の後見人である右大臣への抑制のためであった。

このまま右大臣家たちにばかり権力を持たせては、今後邪魔な存在になる。

そのためにもその姫が私の女御になっていただかなくてはならないのだ。

それは私が少しでも気のある素振りをしてはだめなのだ。

姫君の方から、いや父である大臣の方から

私に打診をしてくれなくては駄目なのだ。

しかし、大臣・・・いや大納言は温和な方だ。

今右大臣家が勢力を広げ勢いを付けているところに

自分から動かれる方ではない。

そして、大納言家の姫と言ったら変人と悪い噂しか聞かない姫でもある。

ことあるごとに見合いを断り、

今では初めに比べて求婚者が少なくなってしまったとの事。

しかしそれでも大納言家の大きな力、財力はそれでも魅力がある。

このまま何もせずに待っているだけでは

その内姫に婚約者が現れてしまうのだ。

そうなっては遅い。

だからこそ私は決意したのだ。

後宮を抜け出したとしても

その姫の心と体を奪ってしまえばよいのだから。

そうすれば大納言家の姫君が女御になると言えば

親である大納言も動かないわけにはいかないのだから。

今回は梨壺と一緒でどれだけもつのか。

どうせ女などどの女も同じ

私にとっては利用できるかできないかだ。

変人と噂される瑠璃姫・・・・・・

どのような女なのであろう。

私は一瞬だけそう思ったがすぐに興味はそれた。

私にとっての最初の瑠璃姫への印象はただ利用価値のある女。

ただそれだけの女だったのだ。

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