妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

藤壺女御物語12

吉野の里で暮らしていたあたしは、あの頃幼すぎた。

毎日のように大好きな人と遊べて、永遠にこれが続くと思っていたの。

「瑠璃姫、、やがて私が父上に認められ都に呼ばれ官位を授かることになったら

お迎えに行ってもいいですか?」

「うん、いいよ!」

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

「吉野の君!瑠璃だよ!遊んでたもうれ!」

「・・・・しくしくるりちゃま、ごめんなさい、あの子は・・・

あのこは・・・修羅の道に進んでしまったのです。」

「え?嘘!だって吉野の君は瑠璃を迎えに来てくれるって

言ってくれたもの。

吉野の君の母上、吉野の君が死んじゃったって嘘だよね!」

「あああ、るりちゃまごめんなさい!」

 

 

 

 

 

 

「吉    野   の   君!」

はあはあはあ!

 

藤壺の女御様、藤壺の女御様・・・瑠璃様!」

「ええっ?小萩!」

「はいそうですがどうかなさったのですか?

先ほどからウツウツなされてましたが夢見でも悪かったのですか?

懐かしの幼馴染の君の事でも思い出されたのでございますか?」

「えっ?なんで小萩が知ってるの?」

「まあ瑠璃様は先ほど幼馴染の君の名前を口に出されてましたが」

「あっそう」

「瑠璃様?」

「気にしないで小萩。」

「そうでしたらよろしいのですが、本当に運命というのは

分からないものですね。」

「なんでそんなことを言うの?」

「だって瑠璃様は入内する前までは吉野の君のことを思い続けて

尼になるといつもおっしゃっていたではございませんか。

それが今では女御様にまで昇りつめて・・・」

「ふん、好きで入内したんじゃないわよ!」

「瑠璃様、そんなに大きな声をだしたら他の者に聞かれてしまいますよ。」

「ごめん小萩。でもさあ、好きで女御になったわけじゃないのに・・・」

「まあこればかりは仕方がありませんね。瑠璃様が拒否なさったら

内大臣家は謀反を起こしたも同然ですもの。大臣も融様も出仕はできなくなり

内大臣家は没落してしまいますわ。」

「そうだけど・・・」

「瑠璃様はまだ幼馴染の君のことをお忘れではないのですか?」

「や、やだなあ小萩はなんていうことを言うのよ。」

「まあ、瑠璃様、私は瑠璃様付き一の女房ですよ。

瑠璃様が気が付かないことでも時に分かることもございますわ。」

「小萩・・・」

「悩んで見えるのですか?」

「何を!」

「先ほど瑠璃様は幼き頃の君のことを思いなさっていたのでしょう。

あんなに幼馴染の君のことを思って見えたことは小萩はしっかり

覚えていますよ。でも瑠璃様はその幼馴染の君の思い出に

縛られすぎているのではございませんか?」

「えっ?」

「前から思っていたことでございます。幼馴染の君はもういないのでございますよ。

いないかたを思い続けても仕方がないことではございませんか?」

「小萩違うの。吉野の君は、吉野の君は!」

「瑠璃様?申し訳ございません。言いすぎました。でも瑠璃様は

過去に縛られる方ではございません。

前を見据える方だと思っているのでございます。だから・・・」

「ふふっ、ありがとう小萩。

確かに私は過去の思い出に縛られすぎているのかもしれないわね。」

「そうでございます。瑠璃様は今を生きて見えるのですから、落ち込まず

瑠璃様が思ったことをしたらどうなのでしょうか?」

「ありがとう!元気が出たわ小萩。」

「いえ、差し出がましいことをいいましてすみません。」

「信頼できる小萩が傍にいてくれて安心だわ。すっと傍にいてね小萩!」

「はい、瑠璃様!」

小萩の言う通りあたしらしくないわ。

吉野の君は過去の思い出だけど生きてあたしを迎えに来てくれた。

あたしの想いは・・・

まさかこの話を聞いていた人がいるなんて思いもよらなかったの。

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