妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

2022-06-04から1日間の記事一覧

藤壺女御物語35 短章

私は計画が順調すぎて笑みが隠し切れず扇で顔を隠す。 目の前ではお主上が裏切られたと表情を変えて真っ蒼になっていた。 だが私はけしてお主上を裏切ることはない。 彼は私を帥の宮として忘れられていた境遇から引き揚げてくれた存在であるから。 私は一生…

藤壺女御物語34

あれからあたしはどれだけ日が経ったのか分からない。 そんなに時間は経ってないのかもしれない。 「にゃあ~」 猫? 何でここにいるの? それよりもここはさっきの塗籠と変わらないわ。 変わらず力が抜けていたけれど、人の気配に気づきあたしは睨みつけた…

藤壺女御物語33

なんと、あの融が行方不明! あたしは鷹男がいなかったら倒れていたかもしれない。 でも鷹男に励まされてあたしはすぐに立ち直った。 この情報は融付きの夏から至急連絡が入ったことなんだけど 融が式部の卿の宮様邸に行ったらしいんだけど いつもと融の様子…

藤壺女御物語32

「ねえ鷹男、聞きたいことがあるんだけど少し聞きずらくて・・・」 「瑠璃姫にしては珍しいですね。言葉に言いよどむだなんて」 「仕方がないじゃない、本当なら聞きたくないもの。でも・・・」 「そうですか、ではいったいなんなのですか?」 「あのね、梅…

藤壺女御物語31

「左近の中将様のことですか?」 「ええ、なんでもいいから知っていることを聞きたいんだけど」 「そうですわね、とても美男子で男らしくてああ~女御様には言えないわ~」 「あのね、小夜、そんなことを聞いているんじゃなくて どんな家柄とか性格とかそう…

藤壺女御物語30

それから幾日か経ってあたしの耳に吃驚なことが入ったのよ。 なんとあの融が通う貴族の姫君がいるというのよ。 一度も浮名を流したことがない弟の融が、もう姫君に通うだなんて。 あの子はあれでも内大臣家の長男だしあたしはすでに女御として 後宮に納まっ…

藤壺女御物語29 第三章

瑠璃姫と梅壺の女御の騒動は帝によって喧嘩両成敗ですぐに後宮は 落ち着き始めておりました。 けれど、帝の後継者が決まらぬ今、女御たちの諍いはとどまるところを 知らないほど深刻な話ではあったのです。 はあ~この日が一番嫌い。 今日はあたしの元に鷹男…

藤壺女御物語28 間章

たった一人の弟である融が藤壺にご機嫌伺にやってきていた。 あたしは元から堅苦しい挨拶が嫌いだから 早々に信頼する女房たち以外引き下げ談笑をしていた。 融にはあることを頼もうと思っていたから丁度良かったから・・・ 弟だから几帳も外して面と向かっ…