妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

藤壺女御物語38 間章3

最近蔵人、近衛府などである人物の噂が持ちきりなのだ。

いったい誰なのか気になってはいたが、それは私には関係がなかったから

あえて蔵人頭に聞くことはしなかった。

でも、こうも噂が長引きそしてその中の中心人物である方が

ただの女房だということが分かって驚いたのだ。

若い公達たちの片恋人の噂なら沢山あるだろうに多くの若者たちが

彼女に思いを寄せるだなんて。

私の愛する姫みたいな人だな~っと初めはそれだけの興味でしかなかった。

すぐに男たちはその女房に飽きるだろうとそう思っていたのに

どんどんその女房に好意を持つ者たちは増える一方。

ついつい、いらぬ好奇心にかられ別当に聞いたのだが彼はさすがに地位が高すぎて

その女房を見たことがない様子だった。

そして私が気にしていることを知った蔵人頭が私に教えてくれたのだ。

三条という女房の噂を。

三条といえば瑠璃姫の父上のお屋敷である三条邸を思い出してしまったがため

ついついどんな人なのか興味を覚えてしまったのだ。

三条という名の女房なんて珍しい名前でもないのに瑠璃姫を思い出す。

私の愛する瑠璃姫は今一体何をして見えるのだろう。

後宮の生活は姫には堅苦しいのかもしれないな。

そうつい瑠璃姫のことで思考がいっぱいになってしまう。

そして驚くことにその三条という女房は瑠璃姫の性格に似ているようなのだ。

瑠璃姫みたいなお方は滅多にいないと断言できるのに

だからこそその女房に少しだけ興味を感じてしまった。

 

そんなある日、昼間の政務中に蔵人頭に内密に話したいことがあり

先触れもせずにお付きのものも上手く巻いて校書殿にやってきた。

蔵人たちは忙しそうに働いていると思っていたが何故か雰囲気が違って見えた。

そして奥に行くと若い者たちが話し合いをしている様子だった。

蔵人頭が慌てて私が来たことに驚きを隠せない様子であったが

気にするなと一言かけただけだった。

それよりも気になったのがあの三条という女房の噂を皆で話し合っている様子だった。

余計にどんな話か聞きたくてついつい耳を傾けたのだ。

そうしたら三条はすでに人妻であり

他の者たちがその婿は誰なのか不思議そうにしていた。

私は三条という女房が人妻ということでますます瑠璃姫を思い浮かべてしまった。

一体その女房は誰なのだろうとついついそう思っていた時

驚愕な事実に対面してしまったのだ。

それは三条がその話し合いに乱入してきたからだ。

しかし、三条の声はどう聞いても私の愛する瑠璃姫の声としか思えなくて

戸の隙間から三条を探したのだ。

私は目を疑った。

私の愛する瑠璃姫が堂々と私以外の男にその美しい顔をさらけ出していたからだ。

私は思わずかっと血が上りすぐに瑠璃姫をこの場から奪い去ったのだ。

そして私は三日の間けして瑠璃姫を床の間から出すこともなくお仕置きをしたのだ。

しかしそれだけでは我慢できない。

私の愛す瑠璃姫に懸想をした大バカ者たちが多くいたからだ。

どうしたものか、あの者たちに罰を与えねばならない。

私はまた何も知らせずに校書殿に入り、瑠璃姫に懸想をしている愚か者を集めて

全てのものに私へ名を教えるよう指示し、その者たちには沢山の仕事を倍与え

私と瑠璃姫の愛し愛という惚気について永遠と聞かせてやった。

それがまさか瑠璃姫への想いをさらに強めることになろうとは

私は愚かにも気づかなかったのだ。

そうして瑠璃姫親衛隊が結成され増えることになったのは

夢にも思わなかった私である。

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