妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

好きなのに~渦巻く嫉妬の嵐12


あたしは高彬から逃げる形で麗景殿に戻った。

いつもだったら鷹男が自分の部屋に戻るまで庭を眺めていたのに

今日は無理だった。

あたしは自分の部屋に戻ることに躊躇していた。

この麗景殿にはまだ鷹男と楓さんの二人が一緒に夜を過ごしている。

それが頭に浮かぶとどうしても同じ麗景殿に居る事が出来ないでいたから。

皆寝静まり、静かな夜。

なんであたしはここに一人で居るんだろう~

どうして今鷹男の隣に居るのがあたしじゃないのだろう~

沸々と悲しい気持ちが押し寄せてくる。

駄目。

麗景殿になんていられない。

でも戻ったらまた高彬に見つかってしまうかもしれない。

そうした方がいいの?

高彬に縋ったほうがあたしは楽になれるの?

どうしたら・・・・・・どうしたらいいのよ・・・・・

冷たい風があたしの体を包みこんでいく。

夏だとはいえ真夜中は体が冷え込む。

それでもあたしはこの冷たい風があたしの嫉妬で苦しんでいる姿を覚ましてくれる。

あたしはしばらくそのまま麗景殿に入れずただ立ち尽くしたままだった。

あたしは自分のことで精一杯で人が廊下を歩いている姿に気が付かずにぼ~としていた。

気が付いた時にはもう遅かった。

まずい。

誰かに見つかってしまうわ。

そう慌てても周りにあたしを隠すものは存在しなかった。

そうして歩いている人があたしの姿を認めた途端

階を慌てて誰かが降りあたしの方にやってくる。

それはそんなに時間は経っていないと思う。

数秒の世界。

でも凄く時間を感じたかのように思えた。

その人物が誰なのかも分からないままあたしは誰かに抱きすくめられていた。

????????

「瑠璃姫!何故あなたがこのような場所に居られるのです!

体が冷たいではありませんか!?どれくらい居られたのですか!?」

その声であたしの体を包みこんでいるのが鷹男だと知ることが出来た。

その時

!?

鷹男の侍従の匂いではなく荷葉の匂いが混ざっている。

ドン!!!

嫌!!!!!他の女の匂いを付けた鷹男に抱かれたくない!

「離して頂戴!」

あたしは鷹男の言葉も待たずに自分の部屋に駆け込んだ。

そして褥の上で声を必死で堪えながら泣いた。

どうして・・・・どうしてそんな酷いことをするの???

他の女を抱いたその姿であたしに近づかないでよ!

どうして他の人を意識させるような事をするのよ!

酷いわ・・・・酷いわよ・・・・・・

あたしの中で今までにない嫉妬の心が芽生えていった。

こんな黒い想いを自分が持つなんて思いもよらなかった。

どうしてこんな苦しい思いをしながら他の人達は愛する人を共有することができるの?

あたしには絶対に無理よ!

あたし一人だけを愛する人じゃないとあたしの心を保つことなんてできないわ。

誰かあたしを助けて!

こんな気持ちはいらない!

嫉妬なんていらないわ!

お願いよ・・・・誰かあたしを救って・・・・・・誰か・・・・・た・・・か・・・・・

誰か・・・・・・・・・

そうしていつの間にかあたしは眠りに入っていったの。

 

 

 

 

 

 

 

少し前まで私の腕の中にいた愛する姫はすでに自分の部屋に戻っていかれた。

私の言葉に耳も向けずにあなたは去って行った。

瑠璃姫・・・・あなたの体はとても冷たかった。

どれだけ夜の冷たい風を浴びていたのだろうか?

もうあなたをこの腕に抱きすくめることは出来ないのだろうか?

瑠璃姫・・・・・・私は今誰も抱いてはいないのですよ。

もうあなた以外を抱くことはしない。

そう誓いました。

楓とは同衾しているだけでこの手に抱いてはいない。

あなたにこのまま自分の計画を言ってしまいたくなる。

もうどれだけあなたをこの手で抱くことが出来ないでいるだろう。

あなたを抱けないのがこんなに辛いものだなんて思いもよらなかった。

あなたと話も出来なくなるなんて思いもよらなかった。

この計画を止めようか・・・・・

ふとそんな気持ちになってきてしまう。

自分のエゴだけのために私は瑠璃姫を苦しめてしまっているのだから。

でもあなたなら乗り越えてくれる。

この苦しみを乗り越える力がある!

そう信じているのです。

計画は順調だがこの虚しい気持ちはどうしたらいいのだろう~

自分はただ瑠璃姫を苦しめているだけの存在に過ぎないのかもしれない。

瑠璃姫を救えるのは自分じゃないのかもしれない。

瑠璃姫が私を選んでくれないなら私はこの計画に負けたことになる。

このまま・・・・このままだったらそうなるのだろう・・・・・

瑠璃姫とのすれ違いによりドンドン私と瑠璃姫の心は離れて行ってしまうのだった。

にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村