妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

好きなのに~渦巻く嫉妬の嵐14終


あまりにも過酷の中にいたあたしはもう自分ではどうにも出来ないところにまで

追い詰められていた。

苦しすぎて苦しすぎて誰かに助けてもらいたくて仕方がなかった。

あたしは夜の帳が落ち真っ暗な中階を降りてある場所へと向かって行った。

あの時はただ鷹男のことが分からなくてどうしようかとそう思っていた。

どうすれば鷹男と前と同じ関係に戻れるのか。

そうひたすら鷹男のことを思うだけだった。

でも今は全然違う。

あたしは誰かに助けてもらいたかった。

自分がどれだけ愚かでもそれでもこの苦しみを誰かに助けてもらいたかったの。

この先にあたしを助けてくれる人がいる。

心臓がドキドキしていた。

そこに行ったとしても誰も居ないかもしれない。

約束をしたわけじゃない。

でもそこにさえ行けば何かが変わるんじゃないか?

そう思ってしまうほど不確かなあたしの勘が体を動かす。

心臓のドキドキが最高潮に鳴り響いた。

キョロキョロ

誰かいないかあたしは周りを見渡した。

・・・・・・・

・・・・・

いない・・・・・・・・

やっぱりいないか・・・・・・・・

あたしは何を勘違いしてたんだろう。

ここで高彬に会えた。

高彬ならあたしを救ってくれる。

そう思ったのに何故何も言わずに高彬がここに居てくれるとそう思ってしまったんだろう。

自惚れるなんて馬鹿ね。

高彬がまだあたしを好いていると思うなんて、なんて図々しいのかしら。

あたしは高彬を振った女。

鷹男を選んだのはあたし自身。

それなのに高彬に助けを求めるだなんて、なんて愚かなの?

でも・・・・高彬・・・・それでもあたしは誰かに助けて欲しかったの。

こんなに苦しいだなんて・・・こんなに嫉妬が苦しいだなんて思いもよらなかった。

黒い気持ちをずっと抱き続けるなんてあたしには無理だわ。

あたしは嫉妬から開放されたいのよ。

「たかあきら・・・・・・」

あたしはずっと下を向いていた。

だから気がつかなかった。

高彬が近づいてきたことに。

「瑠璃さん、辛かったね。苦しかったね。僕が救ってあげるよ。

僕だけはずっと瑠璃さんの味方だから。」

そう囁きながら高彬はあたしを抱き締めてくれる。

「高彬!!!!!」

あたしは思わず大きな声で泣きながら叫んだ!

あああっ・・・・・・ひっく・・・・・ひっく・・・・・・・・

高彬・・・高彬・・・・・・・・・・

高彬・・・・・・・高彬・・・・・・・・

高彬ならあたしを助けてくれる。

高彬ならあたしを裏切らない。

あたしはずっと悩み、苦しみ続けてきた。

その救いをあたしは高彬に求めてしまったの。

このことが原因で史上最大の争いへと発展するだなんてあたしは思いもしなかったの・・・

これが一つの終わりと始まりになるなんて・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

私は今すぐ飛び出したいのをグッと我慢した。

私の愛する姫が他の男に抱かれ幸せそうに微笑んでいるのだから。

今では絶対に私には見せてくれないホッとした安心した笑顔。

どす黒い嫉妬の心が私の心に荒れ狂っていた。

自分が一番悪いのに。

こうなるように仕向けたのは自分だというのに二人の姿を見ると自らこの計画を

水の泡にしてしまおうと思ってしまう。

ダメだ。

私は二人が見える場所から急いで逃げた。

このまま二人を見ていたら二人の前に出ていってしまう。

ここまでこじれてしまった以上瑠璃姫はもう私の傍に永遠に戻ってこない。

私の狂った愛によって二人は犠牲になっているのだ。

もう少しだ。

もう少しで私は瑠璃姫を我がものにすることが出来る。

どれだけの犠牲を払っても私には瑠璃姫以外はいらないのだから。

しばらくは高彬に瑠璃姫を預けよう。

高彬。

お前も嫉妬に苦しんできたのだろう。

だったら今度で決着をつけようではないか。

私は負けない!

瑠璃姫を今度は完全に自分の物にして見せる。

 

 

 

 

 

僕の腕の中には愛する瑠璃さんがいる。

一度手放した愛おしい人が僕の腕の中にいるんだ。

ずっと好きだった瑠璃さん。

もう僕は瑠璃さんを離さない。

ずっと尊敬していた、一生傍に仕えよう。

そう思っていた東宮様。

でももうあなたは僕の主君じゃない。

これからはあなたは僕の敵だ。

もう瑠璃さんを離さない。

あなたから僕は瑠璃さんを奪う!

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